阪神・島本 手術&育成契約経て1392日ぶり星 岡田監督も称賛「ええボールを投げとった」
「ヤクルト5-6阪神」(24日、神宮球場)
試合終了の瞬間、笑顔でベンチにいる仲間と手を合わせた。阪神・島本浩也投手(30)が2019年8月1日の中日戦以来、1392日ぶりの勝利を挙げた。懸命に腕を振った力投が流れを引き寄せた。
「ゼロで抑えて、次の回にいい流れを持っていけるようにと思って投げた」
1点ビハインドの八回にマウンドへ。先頭の長岡を空振り三振。続く中村には右前打を許したものの、後続を抑えて無失点で切り抜けた。「逆転すると思っていました」。仲間の奮起を信じ、九回の大逆転劇を見届けた。
育成出身のプロ13年目。ここまで何度もケガに苦しんだ。20年にはトミー・ジョン手術を受け、再び育成選手契約に。昨季途中に支配下へと復帰し、完全復活をかけた今シーズン。23日に今季初昇格を果たし、いきなり最高の仕事を果たした。
反撃するためにも、1点も許せない状況での登板。起用に応えた左腕を岡田監督は「ええボールを投げとったよなあ」とたたえた。
これでチームは4連勝。左腕の胸には常に背水の覚悟がある。「1回のチャンスでしっかり結果を出せるようにやっていきたい」と語っていた島本。チームにとっても自身にとっても大きな1勝だ。