【谷佳知氏の眼】大山の献身が呼んだ阪神逆転勝利
「ヤクルト5-6阪神」(24日、神宮球場)
阪神が劇的な逆転勝利で今季3度目の4連勝。貯金を今季最多の13とした。デイリースポーツ評論家・谷佳知氏(50)は、九回に逆転のホームを踏んだ阪神・大山悠輔内野手(28)の走塁に注目。「4番があの走塁ができるのだから、すごい」と褒めたたえた。
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佐藤輝のバットで決めた試合だが、大山の献身が勝利を呼んだと言える。九回2死三塁。4番として打ちたい気持ちを抑え、しっかり見極めて四球を選んだ。さらに一塁から、よく走った。甲子園球場ではなく神宮球場。簡単な走塁ではない。4番があの走塁ができるのだから、すごい。
決勝打の佐藤輝は、四球後の初球をよく振った。内角の直球を待っていたように感じる。読み通りのスイングだった。四回にも、苦手にしていた吉村から、内角球を左翼線に運んだ。あの高めのコースは誰でも詰まる箇所。バットの出方、スイングの軌道がいいから、ヒットゾーンに落ちる。あれがボール1個分、甘くなったら本塁打になったはずだ。
当然、打者としての理想は芯で捉えることだが、それを崩そうとするのが投手だ。シーズン序盤に比べて、あの打球が内野を越えるようになったから、調子が上向いていると言える。最後は、3番のノイジーも含めて4、5番と中軸で決めた試合。いまの阪神は強いチーム、勝てるチームの戦い方をしている。