阪神・近本V撃 やっぱ“鬼”やで!得点圏打率・500「不思議ですね」
「阪神3-2巨人」(27日、甲子園球場)
均衡を破った殊勲者を呼ぶ声が、今季最多4万2620人で埋まった聖地に響き渡る。“得点圏の鬼”の本領を発揮し、大竹の感涙まで誘った阪神・近本光司外野手。中堅の定位置近くで帽子を掲げて大歓声に応え、「みんながつないでくれた打席だったので、自分も何とか後ろにという思いでした。先制のタイムリーになってくれて良かった」と大仕事を誇った。
初対戦のグリフィンを打ち崩せず、0-0で迎えた七回。1死から四球を選んだ坂本を、木浪が犠打で進めた。好投を続けていた大竹の代打、渡辺諒も価値ある四球。チームメートが作った2死一、二塁でリードオフマンが打席に入った。
カウント2-2から3連続ファウルで粘った後、カーブを見極めてフルカウントに。「外野も前にいたんで、何とか3-2まで(いけば走者がスタートを切れるので)と思っていました。なった瞬間、楽になりました。シングルでいいやと」。勝負の針が大きく近本に傾くと、9球目のツーシームを捉えた。ライナーがグリフィンの横を抜ける。思惑通りの先制中前打で大竹に6勝目をもたらした。
チームを5カード連続勝ち越しへ導き、開幕から甲子園のデーゲームは9試合で8勝1分けとなった。土曜は開幕から7連勝だ。その立役者は近本。グラウンドだけではなく、試合後のお立ち台でもファンを盛り上げた。
“投”の立役者がベンチで流した涙について、「そうなんですね、全然知らなかったです」と“打”の主役はニヤリ。得点圏打率・500には「不思議ですね」と率直な心境を吐露。「いくら絞れてて、その球が来たとしても打てるかどうか。ピッチャーとの力の差もあるので、不思議だと思います。分からないです」。圧倒的な勝負強さを冷静に分析する背番号5が、とにかく頼もしい。
◆甲子園デーゲーム無敗 今季甲子園でのデーゲームは9試合8勝1分け。昨年6月19日・DeNA戦に敗戦後、シーズンをまたぎ甲子園のデーゲームは10勝2分けと負け知らず。また、今季土曜の試合は7戦全勝。
◆今季最多貯金16 貯金21で終了した21年以来。今季2度目の7連勝で、5カード連続勝ち越しも決定。
◆月間勝利数球団記録更新へあと3勝 今月17勝目。球団の月間最多勝利は64年8月と68年8月の19。残り3戦全勝で最多更新となる。