阪神・才木 交流戦無双16回連続0封 エスコンのマウンドに違和感も素足トレ効果発揮
「日本ハム0-1阪神」(11日、エスコンフィールド)
頼れる右腕がチームの連敗を3で止めた。阪神は才木浩人投手(24)が7回を4安打5奪三振無失点の好投。1点のリードを死守し、今季9度目の完封勝利に貢献した。これで試練の9連戦は4勝4敗1分け。13日からは甲子園でオリックス、ソフトバンクと6連戦。本拠地に戻って、再進撃といきたい。
才木とエスコンフィールドのマウンドの相性は悪かった。それでも、7個の「0」をきっちりと並べきる。不慣れな足元を巧みに手なずけ、進化を証明した。
「球にばらつきはありましたが、うまく修正できました」
序盤は“違和感”と戦い続けた。初回から三回まで毎回走者を背負う苦しい投球。三回1死一、二塁の細川に対しての3球目まで得意球のフォークでの空振りはなし。球種を1つ消されたような状況に陥り、カウントを作りきれずに2四球を与えた。
一転、四回からは七回までに3度の三者凡退を記録。1点リードの六回には1死一、二塁の危機を招くも、万波を149キロ直球で押し切り、遊ゴロ併殺に仕留めた。
新球場で当然、初めて立つマウンド。「基本的に(常に)上を向いている感じがした」と目線、地面の傾斜に妙な感じを覚えた。だが、重心の位置を下げ、出力を抑えながら投じて徐々にアジャスト。球数を重ねるごとに違和感を拭い去っていった。
“素足トレ”の効果が北の大地で生きた。今オフは靴下を脱いでバランスディスクに片足で立つトレーニングを行うなど、足裏の感覚を研ぎ澄ませることに注力。地面と“対話”するための鍛錬を積んだ。
球場によってマウンドの硬さ、傾斜などその特徴は多種多様。さらには、相手投手の投げ方によって踏み出し位置の地面の形状も変化するなど、常に同じ感触でマウンドに立てる機会は少ない。「どんな状態でも適応できるように」。足裏から伝わる情報を察知し、修正するためのヒントを得る。違和感を感じる中でベストパフォーマンスを出すための準備はできていた。
7回4安打無失点で5勝目。今季交流戦は2戦2勝で12球団トップタイとなり、16回連続無失点で防御率も0・00で単独1位となった。わずか1点のリードを死守し、連敗ストップに大きく貢献。才木から若きエースの風格が漂っている。
◆交流戦3冠、セ界防御率&奪三振数2位 才木が今季交流戦防御率トップの0.00。さらに勝利数(2勝)と勝率(10割)はトップタイとなった。セ・リーグでは防御率1.53で2位。奪三振数61も2位タイに浮上。加えて奪三振率は9.358でリーグトップの好成績だ。