阪神・大山 これぞ4番の確信弾 「右京が思い切ってやれるためには僕がしっかりしないと」
「阪神11-3中日」(27日、甲子園球場)
後輩のため、チームのため、力強いスイングから放たれた打球に思いを乗せる。「入ってくれ」-。阪神・大山悠輔内野手(28)がビッグイニングを完成させる一発。チームの連敗を止めるアーチを甲子園の夕空にかけた。
「前の右京(前川)が頑張ってつないでくれたので、より気合が入りました」
3番・前川の適時打で3点目を奪った直後の三回2死一塁。カウント2-1から、柳の低め直球を捉えた。虎党の大声援を受けた打球は、鮮やかな弾道で左翼席へ飛び込む今季9号2ラン。「やっぱり1点でも多くというのは頭にありますし、点を多く取って無駄なことはないので、そういう意味では良い打席だった」と役目を果たした。
勢いは止まらない。8-3の六回無死一、三塁では、代わった祖父江の外角スライダーを捉えて左前適時打。DeNA・宮崎に並ぶリーグ3位の44打点目をマークした。
この日は前を打つ前川がプロ初の猛打賞と大活躍。「まだ1軍出始めの若い選手が必死に、どんな形でもとつないでくれるので、自分はしっかりやらないとと思います」と刺激を受けつつ、先輩としての“責務”も明かした。
「前で右京が打ち取られたら、今度は僕がカバーする。そういったところも僕の役目だと思っている。右京が思い切ってやれるためには僕がしっかりしないといけない」
2桁11得点の快勝で首位返り咲きとなったが、かぶとの緒を締めた。「きょうの流れをそのまま持って行けるのか、また途切れてしまうのか、それは自分たち次第なので。続けていけるようにまた今からしっかり準備したい」。そのプレーで、その振る舞いで、若きチームを頼れる4番がけん引していく。