【藤田平氏の眼】連敗の呪縛解いた新クリーンアップ

 「阪神11-3中日」(27日、甲子園球場)

 阪神が1試合で首位に返り咲いた。12安打11得点と久々の打線爆発で連敗は5でストップ。デイリースポーツ評論家・藤田平氏(75)は「打つべき打者が打てば点は入る」とし、新クリーンアップの働きを評価した。

  ◇  ◇

 これからの戦い方が見えたのではないか。5連敗で迎えたリーグ戦再開後初の甲子園。流れを変えないといけない試合で今季初めて組まれた3番・前川、4番・大山、5番・ミエセスのクリーンアップが打線を動かした。

 まず前川だが三回に右前へ落とすタイムリー。詰まり気味だったが、振り切ったからヒットにできた。試合で使ってもらいながら相手の配球に慣れてきている印象だ。あくまで私見だが、彼の成長のためにも、今後は左投手が先発でも起用していいかもしれない。

 そして5番のミエセスの良さはボール球に手を出さない点。四球で出塁した五回は木浪の2点打で本塁にヘッドスライディング。チャンスをモノにしようという懸命さが伝わってくる。こういう選手はチームを乗せる。

 最後に三回に2ランを放った4番・大山は、ここまで好不調の波が少ない。守備で一塁に固定されていることが好影響を与えているのだろう。打つべき打者が打てば点は入る。この日は新クリーンアップがチームを動かしたゲームだった。

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