阪神・近本 苦痛のち美守!右脇腹に死球直後もフェンス恐れず好捕「自分のやることをやるだけ」

 7回、吉川の飛球をジャンピングキャッチする近本(撮影・立川洋一郎)
 7回、死球を受け、苦痛に顔をゆがめる
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 「巨人2-2阪神」(2日、東京ドーム)

 苦痛に顔をゆがめ、うずくまる背番号5の姿に球場は騒然となった。2-2で迎えた七回、1死一、三塁で阪神・近本が打席に入った。勝ち越しの絶好機に左翼席の虎党の熱量も自然と上がる。巨人は2番手に左腕・高梨を投入。その初球だった。146キロのボールが近本の右脇腹付近を直撃した。その場に倒れ込み、しばらく立ち上がることができない。トレーナーが駆け寄って状態を確認。何とか交代することなく、一塁に歩き出した。

 試合後、死球については「ノーコメント」と、多くを語ることは避けた。

 直後の七回の守備では、1死無走者から吉川が放った左中間への飛球を懸命に追い、小さく跳びはねながら捕球。フェンスにぶつかってもボールを放すことはなかった。痛みを押した美技にも「(死球は)関係ないので。自分のやることをやるだけ」。と平然と振り返った。

 九、十二回には打席も回ってきた。二ゴロと四球で安打こそ生まれなかったが、勝利への執念は十二分に伝わってきた。バットを振って、走って、跳んだ。痛まないはずはない。それでも延長12回を戦い抜いた。仕事に徹し、グラウンドを離れれば弱みは見せない。近本の美学が詰まった振る舞いだった。

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