「阪神２－３ヤクルト」（８日、甲子園球場）

　阪神ドラフト１位・森下翔太外野手（２２）＝中大＝は膝から崩れ落ちた。ヤクルト・田口の遅球にバットが空を切る。大声援を送っていた虎党が一気に静まりかえった。

　１点を追う九回２死一塁。一発出れば逆転サヨナラの場面で空振り三振に終わった。直前の５球目には左翼ポール際への大飛球を放つも惜しくもファウル。最後の打者となり、敗戦をかみしめた。

　この日はプロ入り後初めて「１番・中堅」で先発。「最初はすごい緊張したんですけど、回を重ねていくごとになれていった」と聖地での中堅守備を無難にこなした。

　六回からは右翼守備に就き、八回無死一塁では村上の右前打を素早く処理。一気に三塁を狙った一走・丸山和を三塁・佐藤輝が構えたグラブにピシャリと収まるノーバウンド送球で刺した。「練習から遠投だったりを常に入れていた。実戦で良いプレーが出たというのは自信につながる」。いきなりの抜てきにも臆せず、守備では期待通りの活躍を見せた。

　一方、打撃では４打数無安打。「打席の内容的には次につながるものがあった」とポジティブに捉えたが、打率は・１５９に低下した。岡田監督は「結果出さなあかんのちゃうの。俺ずっと我慢してるんやで」と喝。手厳しい言葉も期待の裏返しだ。