阪神・森下 聖地V弾!96打席目の劇的プロ1号 2度の2軍落ちも「持ち味の長打力はずっとテーマ」

 8回、左中間スタンドへ先制ソロを放つ森下(撮影・立川洋一郎)
 8回、プロ初本塁打を放ち生還する森下(撮影・山口登)
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 「阪神1-0ヤクルト」(9日、甲子園球場)

 みんな待っていた。甲子園が沸いた。阪神のドラフト1位・森下翔太外野手(22)=中大=が0-0で迎えた八回無死、左中間席へ待望のプロ初本塁打を放った。通算96打席目に飛び出した価値ある一発。新人1号による1-0での勝利は球団初という快挙で、2カード連続負け越しのピンチを救った。11日からの2位・DeNAとの3連戦(倉敷、甲子園)に向け、弾みがつく勝利となった。

 ゲームセットの瞬間、ルーキーの笑みがはじけた。値千金の一発でチームに勝利をもたらした森下。新人プロ1号による『1-0勝利』は球団初の快挙で、「遅すぎるくらいだと思いますが、今日は0-0のいい場面で打てたので、すごい良かったです。コレをいいきっかけにどんどん打っていきたい」と劇的決勝弾に胸を張った。

 緊迫の投手戦で両軍無得点のまま迎えた八回、先頭で打席が回った。「自分の中ではフォアボールでもデッドボールでも絶対出塁したいと思ってた」。その気持ちでバットを短く持った。3番手・木沢の登板初球、持ち前の積極性を発揮。150キロシュートにバットを振り抜いた。

 「伸びろ、伸びろ」-。祈りながら全力で走った。左中間スタンド最前列へ着弾し、歓声のボリュームが上がると、歩を緩めてダイヤモンドを一周。ベンチに戻ると、開幕前から予告していたポケモンのキャラが由来の「ガオガエンポーズ」を繰り出して、歓喜を表現した。

 オープン戦では3本塁打を放ったが、ペナントでは“生みの苦しみ”を味わった。「ファーム落ちを2回も経験しましたが、自分の持ち味の長打力はずっとテーマにして取り組んでました」。初志貫徹で迎えた夏場。暑くても食欲は落ちないタイプで、「夏はエネルギーの消費が激しくなるので、炭水化物をとるように意識してます。ご飯をしっかり食べて、睡眠も確保して」と体調管理を続けた結果、自慢のパワーをさく裂させた。

 近本離脱により巡ってきた「1番・中堅」での2試合連続スタメンで、最高の結果を残した。「近本さんは技術も経験もあるので、じっくり見ても出塁やヒットにできる。自分は未熟なので、どんどん振っていく姿勢で1番で積極性を出していこうと思いました」と“力の差”は実感している。ただ、タイプの違う若きリードオフマンが、チームを勝ち星へ導いたのも事実だ。

 11日からはDeNAとの首位攻防戦が控える。4番に座るのは、中大時代の先輩である牧。「直接聞いても(牧は)教えてくれないので、自分が感じて盗めるところは盗んでいきたいと思います」。飽くなき探究心で背番号1は成長曲線を描く。

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