阪神ドラ1森下 活躍の根拠はプロ入りまでの過ごし方にあり 中大時代の“専属マネ”明かす
「阪神1-0ヤクルト」(9日、甲子園球場)
中大硬式野球部の荒井優汰主務(4年)が、阪神ドラフト1位・森下翔太外野手(22)=中大=の秘話を語った。縁の下の力持ちとしてチームを支えながら、1つ上の先輩・森下の“マネジャー”的な存在として汗を流した荒井主務。森下の引退後からプロ入りまでの過ごし方など、素顔について明かした。
昨年、冬。荒井主務は、外出先から寮に戻った森下に声をかけた。「遊びに行ってたんですか?」。硬式野球部を引退し、虎風荘への入寮までリフレッシュできる期間。にもかかわらず、森下の体からは熱気が帯びている。「ジムだよ、体バキバキだわ」とくたびれた様子で自室に戻っていった。
DeNA・牧、西武・古賀など、荒井主務はプロ野球の世界に進む先輩の姿を見てきた。引退後はいくらプロ入りが決まっていると言っても練習強度が落ちるのが通例。ただ、森下は違った。
「ジムの方にも毎日のように行って、グラウンドでも手を抜くことなく走ったり、ティーを打っていた。森下さんは全く(練習強度が)落ちなかったですね」。引退後も体をいじめ抜き続けた森下。プロ入りまでに、たゆまぬ努力があった。
荒井主務は森下の“マネジャー”として大学野球生活を支えた。大学日本代表に選出された際にはパスポートの手配や、車を運転して移動をサポート。「ありがとう」-。なにか助ける度に森下からは頭を下げられた。
寮では森下の部屋に招かれ、ゲームの「大乱闘スマッシュブラザーズ」で対戦。食事にも頻繁に連れて行ってもらい、グラウンド外で多くの時間を過ごした。
ずっとダイヤモンドの外から見てきたからこそ、虎党に伝えたい森下の見どころがある。「バッティングが期待されがちだとは思うんですけど、森下さんはやっぱり守備とか走塁。そこを見ていただけたら面白いんじゃないかなと思います」。走塁時のオーバーラン、外野守備での内野カットまでの返球。目立たないプレーにこそ、森下の魅力が詰まっている。
「チームメートも(森下の結果を)気にしていて毎日話題になる。本当に頑張ってほしい」。“森下さん”が主役のニュースを、これからも待ち続ける。(デイリースポーツ阪神担当・北村孝紀)