阪神 前ヤンキース・ブルワー獲得へ 193センチ大型右腕 岩崎、岩貞、湯浅らと盤石中継ぎ陣形成へ
阪神が新外国人投手として、前ヤンキース3Aスクラントン・ウィルクスバリのコルテン・ブルワー投手(30)の獲得に動いていることが9日、分かった。193センチ、104キロの大型右腕でメジャー通算84試合に登板。球団側はリリーフ陣を強化する存在として注目している。
悲願の“アレ”に向けた切り札は米国にいた。阪神の嶌村球団本部長は補強について「現状でお答えすることは何もありません」と話すにとどめたが、阪神とブルワーとの交渉は大詰めを迎えているとみられる。
ブルワーはテキサス州出身の右腕で、投球の大半を平均球速93マイル(149・6キロ)のカットボールが占め、鋭い変化で右打者の外角や左打者の内角を突く。他にはスライダー、カーブなどの変化球も操る。
2011年にパイレーツにドラフト4巡目指名で入団し、ヤンキース、パドレス、レッドソックス、ロイヤルズ、レイズを経て、今季開幕前にヤンキースに金銭トレードで加入した。ヤンキースでは3試合に登板し、0勝0敗0セーブ、防御率4・32。3Aでは15試合に登板して0勝0敗0セーブ、防御率1・35の好成績を残している。
メジャー通算84試合で先発は20年のレッドソックス時代に4試合経験したのみ。キャリアの大半をリリーフとして過ごしてきた。メジャー通算99回1/3を投げて92奪三振と三振奪取能力が高く、中継ぎでの適性が見込まれる。
阪神の外国人投手はK・ケラーが1軍に定着しているが、勝ちパターンを担うまでに至っていない。今季加入したB・ケラーはここまで1軍登板がなく、6月には右肘のドクターチェックのため米国に一時帰国。再来日後も復帰の見通しは立っていない。新外国人ビーズリーは6月に先発転向し、2試合でローテの穴を埋めたが、現在は2軍で再調整中となっている。
首位を走る阪神だが、後半戦で加速するためにも投手陣の厚みは不可欠と考え、独立リーグのキロメ投手(茨城)を調査するなど水面下で補強を進めていた。ブルワーの加入が実現すれば岩崎、岩貞、2軍調整中の湯浅らとともにさらに強固なリリーフ陣が形成されることになる。
◆コルテン・ブルワー(Colten Brewer)1992年10月29日生まれ、30歳。米国出身。193センチ、104キロ。右投げ右打ち。投手。11年ドラフトでパイレーツから指名されて契約。16年オフにルール・ファイブ・ドラフトでヤンキースへ。17年オフにパドレスへ移り18年4月にメジャーデビュー。レッドソックス時代の19年に58試合登板。メジャー通算84試合で2勝5敗7ホールド、防御率4・98。