阪神・青柳 後輩気遣う優しさは“真のエース”
「阪神7-2DeNA」(11日、倉敷マスカットスタジアム)
帰ってきたエースが復活星だ!!阪神・青柳晃洋投手(29)が5月12日・DeNA戦以来、60日ぶりとなる3勝目を挙げた。53日ぶりの1軍登板は7回6安打2失点。チームを6月3、4日以来となる連勝に導いた。昨季の投手3冠右腕が本来の姿を取り戻し、DeNAとの首位攻防3連戦初戦を制して2差に拡大。今後に向けて価値ある勝利となった。
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どれほど貴重な時間となっただろうか。2軍調整中、青柳は後輩たちに惜しみなく経験や技術を伝えた。
「えらそうなことは言えないけど…、気にかけたくなる選手は多くなったかな」
同期で4歳年下の望月とは久々にキャッチボールし、意見交換。望月は感謝の言葉を口にする。「ヤギさん(青柳)もファームで苦しんだ時期も経験してますし。自分が行き詰まった時に真剣に野球の話をしてくれる。頼りになるお兄さんですし、めちゃくちゃプラスになりました」。
門別、茨木らルーキーや、同じ変則投手の岩田ら、これまで関わりの少なかった後輩とも話す機会が増えた。その中でも高卒2年目・森木の名前を挙げ、「本当にポテンシャルが高い。1軍で通用する力を持っているのに、結果が出ないって本人もつらいだろうし、見ててもったいないなと。技術うんぬんよりも、考え方の話をしました」と振り返る。
昨オフには、同様の理由で村上と岡留を自主トレに誘った経緯もある。「いまだに僕はエースと呼ばれるのは…」。結果が全ての世界であることは青柳も重々承知している。それでも、鳴尾浜での姿に“真のエース”を見た。(デイリースポーツ・阪神担当・間宮涼)