阪神・西純が二刀流締め!力投&涌井撃ちで自ら援護 「最高に気持ちいい」64日前の悔し涙にケジメ
「阪神4-1中日」(17日、甲子園球場)
拳を握るたびに勝利が近づく。阪神・西純矢投手(21)は、64日前に流した涙をようやく消化することができた。
初回先頭の大島、岡林に連打を浴びて無死一、二塁のピンチを招くも、その後は2者連続三振を奪うなどして危機を脱出。150キロ超えの直球とフォークを駆使し、7回9安打1失点で今季3勝目をつかんだ。お立ち台では「最高に気持ちいいです」と笑顔。スタンドを埋めた虎党からの称賛に酔いしれた。
5月24日・ヤクルト戦(神宮)。西純は泣いていた。1点リードの七回に西勇からバトンを受け取る形で登板するも、1死から2つの四球を与えて2失点。先輩の白星をあっけなく消した。
ベンチでは涙が止まらなかった。「勝ちを消して申し訳なくて」。先発経験があるからこそ、1勝の重みは痛いほど理解している。「気にするなよ。俺の時で良かった」。西勇からは試合後の夜にそう言葉をもらったが、それでも自責の念に駆られていた。
開幕ローテーション入りを果たすも、結果を残すことができずに中継ぎ調整。同26日の降格後は「野球人生のどん底。なにからしていいか分からない」と暗闇をさまよい続けていた。
この日は7イニング中4イニングで得点圏に走者を置く苦しい展開。それでも「中継ぎを経験させていただいたのがすごい大きいかった。落ち着いて一個ずつ」と焦ることなく腕を振った。もがいた日々が、粘り強い投球につながった。
3点リードの二回1死二塁では涌井のスライダーを捉えて中前打。当然のように快音を鳴らし、今季初適時打&初打点を記録した。
「前半戦はすごいチームに迷惑をかけてしまったので巻き返せるように頑張ります」。前半戦“大トリ”の舞台で、投打で躍動。長いトンネルを抜けた先に約2カ月ぶりの白星が待っていた。