【藤田平氏の眼】阪神・西純は主軸に仕事させなかったのが勝因
「阪神4-1中日」(17日、甲子園球場)
阪神・西純矢投手(21)が7回9安打1失点で今季3勝目を挙げた。デイリースポーツ評論家・藤田平氏(75)は、勝因が「序盤の粘り」にあったと分析。一方、中盤以降に追加点を奪えなかった打線には「走者を進める打撃ができていなかった」と反省を促した。
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先発・西純は序盤に球数を要しながらもよく粘った。クリーンアップに仕事をさせなかったことが勝因だろう。3番・細川にはフォークを多投し、コースに散らして3三振を奪った。4番・石川昂、5番・宇佐見はそれぞれ詰まった当たりで1安打を許したが、決定的な長打は許さなかった。今季初めて西純とバッテリーを組んだ坂本もうまく良さを引き出した。
チームは貯金11で前半戦を終えた。岡田監督はベストメンバーがそろわず、状態に波がある中でよくやっている。今季は昨季のヤクルトのような突っ走るチームはないだろう。近本、湯浅らが戻ってくるまで乗り切れば、後半戦もいい戦いができる。
ただ、この試合を見て気になった点もある。三~七回まで先頭打者を出しながら無得点に終わった。走者を進める打撃ができていなかったことが要因だ。打席に入る前に状況を整理するなどしっかりした準備をして、後半戦は選手個々がチームに貢献する打撃を意識してもらいたい。