元阪神の横田慎太郎さんを襲った脳腫瘍 語っていた症状は- 頭痛から判明 3年後に脊髄転移「負けません」も28歳の若さで天国へ
元阪神外野手の横田慎太郎さんが死去したことが18日、分かった。28歳だった。
16年には20歳の若さで開幕スタメンに名を連ねるなど、阪神期待の選手だった横田さん。人生が一変したのは2017年の春季キャンプ中だった。球が二重に見える症状や激しい頭痛を訴え、沖縄・宜野座のキャンプ地から急きょ帰阪。病院で検査を受け、脳腫瘍が判明した。
脳腫瘍とは脳や頭蓋骨の中にできる腫瘍の総称。半年にわたる入院加療を経て9月に球団から病名が発表されるとともに、病気の症状が安定した状態となる「寛解」と診断されたことも報告された。
当時、横田さんは「本当に最初はびっくりして。ここから先、野球を続けていけるか不安でした。すごく厳しい治療もあったんですけど、皆さまの支えがあったからこそ、ここまでこられました」と語っていた。
ただ、球が二重に見えるなどの後遺症は解消されず、19年限りで現役引退を発表。2軍・ソフトバンク戦の引退試合では本塁への補殺で現役生活を締めくくった。
引退後は講演活動や、阪神OB・川藤幸三氏のYouTubeチャンネルなどに出演。21年4月には同チャンネルで、脊髄腫瘍を患い、20年9月から2度目の闘病生活を送っていたことを激白した。
横田さんは2度目の闘病生活を振り返り、「足や腰に強い痛みが来て、おかしいなと思いながら生活してるんですけど、日を追う事に痛みが違うぞと思ってきて」と説明。整形外科を受診したところ、病気が転移し、脊髄に腫瘍があることが判明したという。
長期入院生活では「抗がん剤治療、放射線治療、しかも前回の脳腫瘍の時より治療の回数が多くて。きついというか、想像を絶する、長い苦しい治療でした」と振り返り、手足に後遺症が残っていることも明かしていた。
ただ、支えてくれた家族や関係者に感謝の思いを明かし、「負けません。2回も大きい病気をしてたくさんの方に支えてもらっていた。次は自分が人を助けたいというか、世の人のお役に立ちたいと心から思うようになりました」と語っていた。
21歳での病気判明から7年。訃報を伝えた球団は病名が「脳腫瘍」であることも発表した。前向きに生きる姿で多くの人々に希望を与えてきたが、28歳の若さで天国へ旅立った。