【復刻】阪神OB 横田慎太郎さん死去 語り継がれる奇跡のバックホーム 引退試合の一問一答、セレモニー全文
阪神は18日、球団OBの横田慎太郎さんが同日午前5時42分に死去したと発表した。病名は脳腫瘍。28歳だった。通夜、告別式は詳細が決まり次第、通知するという。
現役生活のラストプレー、奇跡のバックホームは一生、語り継がれる。17年の春季キャンプ中に、球が二重に見えるという症状から脳腫瘍が発覚。闘病生活を送り、寛解したものの視力が回復せず19年に引退を決断した。
同年の9月26日のウエスタン・ソフトバンク戦(鳴尾浜)で行われた引退試合。同点の八回途中から中堅の守備に就き、本塁突入を試みた走者をノーバウンドのレーザービームでアウトに。選手やファンも総立ち、横田も満面の笑みだった。
以下は試合当日の横田本人の主な一問一答、セレモニー。
-引退試合、どういう思いで。
「監督の方にも試合に出してもらえという話をいただいたので。3年ぶりに試合に出させてもらって、めちゃくちゃ緊張したんですけど、ああいうバックホームが投げられて…。練習でもあんなボールがいったことはないんですけど、神様がみてくれたんだなと思っています」
-ボールが飛んできた時、正直刺せると。
「あのときは正直、打球が全然キレイに見えなくていつもだったら一歩下がっているんですけど、今日に限っては前に出られたので、これまで自分を信じて練習をやってきてよかったかなと思っています」
-鳴尾浜で引退試合ができたこと。
「たくさんの方に僕は助けられてやってこれましたので、僕がホームで刺したのも僕のおかげじゃなくて、みなさんのおかげなので、皆さんには感謝しかありません」
-どんなファンの声が印象に。
「一番多かったのは、今まで感動をありがとうと言われました。みんな泣きながら言ってもらえたのでうれしかったです」
-セレモニーはご両親も。
「両親が一番、助けてもらいましたし自分の一番弱い姿も知っていると思うんで、今日こうやってユニホーム着れて守備だけではありますが、グラウンドで見せれて良かったと思いますし、感謝の気持ちでいっぱいです」
-セレモニーでは鳥谷選手ら一軍選手も来た。
「(来るのを)全く知らなくて吃驚しましたし、ベテランの福留さんや鳥谷さんも来てくれて。鳥谷さんにも最後「神様は本当に見てるんだな」と言われて涙が出ました」
-同期入団の梅野にも花束をもらった。
「今までお疲れさんと言われました」
-矢野監督からの花束も。
「これからも選手の参考にさせてもらうと言われました」
-最後に6年間応援してくれたファンへ。
「6年間、最後の3年間は全く試合にも出れませんでしたが、たくさんのファンあっての今があるので感謝の気持ちでいっぱいです」
-セレモニーでは24番、久しぶりに着た気持ち。
「ロッカーでも着る際に、涙が出ちゃって時間もかかったんですけど、やっぱり試合で着たかったですが、今日着させてもらえる展開を作って頂いて、球団の方には感謝の気持ちでいっぱいです」
-攻撃も準備は。
「まだ打席には入れないと言われたので、ただ僕の前で終わって最後の守備もいけたので、そういう展開を作ってもらって感謝の気持ちでいっぱいです」
-ファームの選手に送り出される。
「自分が言うのもあれなんですけど、後輩も先輩の方もみなさん必死にがんばっていると思うんで、その日は来ると思うんで諦めずに練習をがんばってほしいですね」
-打球が見えないといっていたが、今日不安は。
「途中まで全く無かったですけど、やっぱりゴロできたボールも全然きれいに見えず、二重に見えている所で跳ねて。でも不思議なんですけど、いつもだったら後ろに下がって取ってるのを前にいって取れた。神様が押してくれたということなんですかね」
-プロでもベストプレー。
「ベストプレーですね」
以下はセレモニー全文。
「まず、最初にこのような素晴らしいセレモニーに足を運んでくださったファンのみなさん、本当にありがとうございました。そして、ソフトバンクのみなさん、阪神タイガースのみなさん、このような素晴らしい時間を作ってくださり、本当にありがとうございます。
監督さん、コーチのみなさん、スタップの皆さん、選手の皆さん、本当にいままでありがとうございました。
僕が試合にも出ていないのに、体の心配や野球のことをいっぱい教わって、本当に感謝の言葉しかありません。本当にありがとうございました。
そして、ファンのみなさん。僕が試合も出ていないのに、いつもスタンドにはたくさんのファンの方がきてくださり、自分がグランドでもがいているときにいつも自分のように必死で応援しれくださり、本当にいつも感謝の気持ちでいっぱいでした。本当にファンのみなさんありがとうございます。
そして、今日来てくれた両親。ほんとうに試合にでることがなくてすいません。大変な思いをしたと思います。しかし、こうやって今日、試合に出してもらったのも、強い両親のおかげです。本当にありがとうございます。
そして、最後に僕の目標でした、試合に出る。そして、24番をつけるという。それに携わってくれたチームの関係者のみなさん本当にありがとうございます。今まで諦めずに野球をやってきてよかったと、今日改めて思いました。これまで、本当にたくさんの方に励まされ、応援され、ここまで来れました。
最後、まさか、こんな素晴らしいことが起きるとは夢にも思っていませんでした。いままで辛いこともありましたが、自分を信じて、いままで自分なりに必死に練習してきて、本当に神様は見てくれているんだと思いました。本当にたくさんの方々、本当に本当に今まで有り難うございました」