阪神・佐藤輝“由伸撃ち”で球宴盛り上げた フェン直二塁打や球宴初マルチ「2本打てたので大満足」

 試合後、牧(右)と打撃談議をする佐藤輝
 2回、中越えに二塁打を放つ佐藤輝
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 「マイナビオールスターゲーム2023・第1戦、全セ1-8全パ」(19日、バンテリンドーム)

 「マイナビオールスターゲーム2023」は19日、バンテリンドームナゴヤで第1戦が行われ、全パが8-1で勝ち通算成績を89勝80敗11分けとした。全セの「6番・三塁」でスタメン出場した阪神・佐藤輝明内野手(24)は、オリックス・山本から二塁打を放つなど球宴初のマルチ安打を記録。前半戦最終戦となった17日の中日戦で、決勝の10号3ランを放った勢いそのままに、後半戦での爆発を予感させた。第2戦は20日にマツダスタジアムで行われる。

 歓声とどよめきがバンテリンドームナゴヤに入り交じった。12球団のファンの視線が佐藤輝に注がれた中、スター性を発揮した。

 「いやもう、いい球を打てたのでよかったです」

 二回1死。山本の152キロ直球を強振。中堅左に一直線に伸びた打球は、フェンス直撃の二塁打となった。塁上で高々と手を上げてクラップ。この日のファーストスイングであっさり捉えた一打であり「サトテルにヒットを打たれたところが悔しい…」と同学年の球界トップクラスの右腕は脱帽した。

 これだけでは終わらない。五回先頭では、パ・リーグ左腕トップの7勝を挙げている山崎福から痛烈な右前打を放ち、自身初となる球宴でのマルチ安打を記録。「2本打てたので大満足です」と確かな手応えを得た。

 同学年からたっぷり刺激を受けた1日だった。細川は試合前に行われたホームランダービーで中村、牧を下して決勝に進出。球宴前から「(体が)ごついんで。どういうトレーニングをしているのか聞いてみたい」とロックオンしていた選手だった。練習では牧、村上も交えて“1998年会”を開催し「いろいろしゃべったんでよかった」と充実の時間に笑みを浮かべた。

 6月下旬には2軍降格を経験。7月も打撃不振に苦しんだ。復調の兆しがつかめない中、前半戦最終戦となった17日・中日戦(甲子園)では6月16日・ソフトバンク戦(甲子園)以来となる、決勝10号3ランをマーク。その後3打数無安打だったため、岡田監督は「絶対良くなるっていう保証を俺はよう言わんよ」と復調を確信しなかったが、球宴の舞台で笑顔で伸び伸びと躍動する姿で、後半戦の爆発を予感させた。

 オフに自主トレを行い、MVPを獲得した柳田の活躍に「いや、えぐいっすね。さすがっす」と感動した。存分に“らしさ”を発揮し、お祭りを盛り上げた佐藤輝。勢いそのままに、虎のスラッガーとしての使命を果たしていく。

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