阪神・青柳 リベンジ星ならずも上々 今季初同期・坂本とズバズバ鯉斬り7回1失点7K
「阪神タイガース2-2広島東洋カープ」(29日、甲子園球場)
最後のアウトを奪うと、ぐっと右拳を握った。悪夢は繰り返さない。阪神・青柳晃洋投手(29)が雪辱の“鯉倒”だ。
「逆球とかありましたけど、それでも抑えられたのは誠志郎(坂本)のおかげ。引っ張ってもらった」
9番の投手・森下以外は全て左打者を並べてきた相手打線にも泰然。前夜も先発マスクをかぶった坂本と今季初の“同期バッテリー”で、「昨日の相手の状態とかを話しながら」と抜群のコンビネーションでゴロアウトを量産していった。
今季、この試合まで9戦中5戦で失点していた課題の初回は、先頭・小園に自身のグラブをはじく内野安打で出塁を許す。それでも、続く野間を二ゴロに打ち取って二塁封殺。秋山を中飛に仕留めると、4番・松山を低めシンカーで空振り三振に斬り、無失点で立ち上がった。
1点リードの三回1死二塁から小園に同点の右前適時打を献上したが、これが唯一の失点。この試合まで計844球中3・8%しか投球していなかったカットボールを、この日は全106球中、15球投じるなど、久々の相棒と変化も加えながら相手を翻弄(ほんろう)した。
今季4勝目は逃したが、7回4安打1失点、7奪三振の好投。岡田監督も「だいぶ、よく戻ってきたというかな。コントロールも良かったし、スピードも出てきとったしな」と評価した。
5月19日の今季初対戦では、勝敗こそつかなかったものの、5回7失点と精彩を欠いて翌日に2軍降格となっていた。リベンジに成功し、「勝てなかったより、2位のチームと対戦して負けなかったのが一番。僕自身もある程度納得できる投球ができたので良かったです」と右腕。完全復活を印象づけ、首位街道の旗振り役となる。