阪神は夏の長期ロードを乗り切れるか 気になるのは甲子園特有の見えない力【野田浩司氏の見解】

 阪神が夏恒例の長期ロードに入った。今年は8月1日から8カード(うち2カードは京セラでの主催試合)、甲子園を離れる。ホームアドバンテージを得られない?敵地開催をどう乗り切るか。デイリースポーツウェブ評論家の野田浩司氏は移動による疲労よりも、「甲子園球場の持つ力」を強調した。

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 阪神が夏の長期遠征に入りましたね。高校野球に甲子園球場を明け渡し、ホームグラウンドへ戻ってくるのは29日。その間、2カード(5試合)、京セラドーム大阪で主催試合が行われけど、約1カ月は甲子園独特の雰囲気から遠ざかることになる。

 気になるのは目には見えなくとも凄く大きな力になる、あの“甲子園の力”をしばらくの間は得られないことです。

 よくヒーローインタビューで「ファンの声援が後押しになった」というコメントを耳にしますが、僕も本当にそう思ってました。地元での応援は不思議なほど力になる。逆に言うとビジターでは大きなプレッシャーになるんです。

 僕がルーキーの年に東京ドームが開場したんですが、あの大声援に圧倒されたのを覚えてます。室内のブルペンでリリーフの準備をし、「ピッチャー野田」の場内アナウンスと同時にグラウンドへ出た瞬間、舞い上がってしまった。静かな室内とはまったく違う、コンサート会場のような空気でしたから。

 それからは試合中に一度、ベンチに入って“慣れとけ”と言われたものですよ。状況は違うけど、相手側の選手も似たような思いを甲子園でしているんでしょうね。

 今年の12球団のチーム成績を見ると、ほとんどのチームがロードよりもホームの方が勝率がいいし、上位チームは勝率が高い分、特にその傾向が強い。阪神も同様ですよね。

 (7月31日現在、阪神はホームでの貯金が15。ビジターでは借金が1。※交流戦を含む)

 ホームでの貯金は広島と並びリーグ最多。京セラでの3試合は全勝しているし、ロードの成績も一番いいから心配するほどでもないが、やっぱり“甲子園が一番”だと思いますよ。

 “死のロード”という言葉が使われなくなって久しい。かなり昔は移動に時間がかかったり、宿舎が相部屋だったり、何かと疲れることが多かったようですね。今は新幹線はグリーン車で快適。宿泊環境も整っているし、そこを心配する必要はないでしょう。

 むしろ飛行機移動ですよ。しんどいのは。飛んでる時間は短いですが、待ち時間とか寝にくさだったり。僕は三半規管が弱かったから揺れると気分が悪くなったり。だから北海道を本拠地にする日本ハムは大変だと思いますよ。

 首位で真夏の8月戦線へ突入した阪神。甲子園から離れるこの長期ロードをどう乗り切るか。そこだけが気になりますね。

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