【谷佳知氏の眼】今季象徴する試合展開だった
「読売ジャイアンツ6-7阪神タイガース」(8日、東京ドーム)
阪神が巨人の猛追を振り切って今季3度目の5連勝を飾り、貯金を今季最多の19とした。デイリースポーツ評論家・谷佳知氏(50)は「今年の阪神は昨年のヤクルトのような打線」と切れ目のない攻撃を称賛した。
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見応えのある試合だった。特に八回、森下の2ランには価値がある。左投手に対し粘って、粘っての9球目。早いカウントで内を攻められながら、外角球を逆方向に飛ばす打撃は見事だ。結果球は高梨の失投だが、フルカウントにした時点で森下が勝負に勝ったと言える。
阪神は誰がということではなく、ここまで「打線」で勝ってきたチーム。1、2番が出塁して3、4番で得点する攻撃だ。それができなかった時は、8番の木浪が出塁して上位に回すパターン。初回から大山の先制打に、二回は木浪がチャンスメークに回った。まさに、今シーズンを象徴する試合展開だった。
残りは44試合。阪神はカードを2勝1敗、大型連敗をしないことが大切になる。ポイントは中旬に控える2位・広島との直接対決だが、他チーム相手に取りこぼさないことが大切だ。ただ、今年の阪神は昨年のヤクルトのような打線。優勝するチームに言えることだが、切れ目のない攻撃が流れを生んでいる。