【岡義朗氏の眼】阪神 強さの要因は岡田野球の浸透
「阪神タイガース4-3東京ヤクルトスワローズ」(12日、京セラドーム大阪)
阪神の9連勝という結果は見事であり、そこに至る内容を見ても、チームとしての強さと、岡田監督の野球というものが浸透していることを感じる。
例えば七回1死一塁では中野に送りバント、延長十一回1死一塁では小野寺に送りバントをさせている。結果としては、中野は成功して小野寺は失敗したわけだが、九回には、同じ状況だった1死一塁での近本に、送りバントをさせることなく打たせた。結果は三振に終わったものの、ここは今の近本に打たせることへの信頼があったからだろう。
延長十二回も無死二塁での森下に送りバントをさせることなく、四球で無死一、二塁となって迎えた大山にも打たせたが、ここは4番としての信頼を寄せたわけで、大山も右前打で応えてサヨナラ勝ちにつなげた。
適材適所や役割分担という言い方ができるが、その時々での状況を考えた上での、選手や作戦の使い分けのうまさを感じるし、選手もその中で、意図を理解してプレーで応えている。そこには岡田監督と選手との信頼関係があるからこそで、今の強さの要因というものが見える。