阪神・梅野が今季絶望的 死球で左尺骨骨折の診断受け「めちゃくちゃ悔しい」 岡田監督に怒りにじむ「そういう場面でもないし」
「阪神タイガース5-3東京ヤクルトスワローズ」(13日、京セラドーム大阪)
虎の扇の要が今季絶望的となった。左手首付近に死球を受けた阪神・梅野隆太郎捕手(32)が大阪市内の病院で検査を受けた結果、左尺骨の骨折と診断された。岡田監督は「今年は無理でしょう。もう、それは無理やと思いますよ」と苦しい見通しを明かした。
試合後、病院から戻って取材に応じた梅野は「チームが優勝争いしているところでケガで戦線離脱というのは、個人的にはめちゃくちゃ悔しい。このために常に頑張ってきているので」と無念さをにじませつつ、「自分がやれることは治療に専念して、やれることをやっていくだけ。チームの1勝の積み重ねで“アレ”という目標に向かっていけると思う。チームを信じて自分はやれることをやって、チームが優勝するまで一緒に戦っていきたい」と心の整理をつけるように顔を上げた。
4-3の五回1死無走者で打席に立ったが、カウント3-2から今野が投じた144キロの直球が左手首を直撃。苦悶(くもん)の表情でその場に倒れ込んだ。今岡打撃コーチらが駆けつけ、トレーナーに左腕を支えられながらベンチ裏に下がった。球場内の虎党から「頑張れ、頑張れ、梅野!」の盛大なコールが飛んだが、代走に坂本が送られた。
梅野は固定した左腕を三角巾でつった姿で試合途中に病院へ向かった。「何も言うことはありません」と言い残し、無念の表情で迎えの車に乗り込んだ。
岡田監督は梅野の死球に「あそこでデッドボールを投げる、そういう場面でもないし」と怒りをにじませつつ、「(梅野の)代わりはおらんよ。補充はできるけど」と苦渋の表情を浮かべた。
阪神は近本が7月2日の巨人戦(東京ド)で死球を受け、右肋骨骨折で11試合の欠場を余儀なくされた。近本はこの日も三回の第2打席で臀部(でんぶ)に投球が直撃。大事には至らなかったが、今季7個目の死球は規定打席到達者ではリーグトップに並んだ。首位を独走する猛虎だが、思わぬ死球禍が影を落とした。
◆尺骨 前腕には、ひじから手首まで尺骨と橈骨(とうこつ)の2本の骨があり、小指側に位置するのが尺骨。