阪神・岡田監督M28も怒り爆発 熊谷二盗“妨害なし”に猛抗議 九回同点機“つぶされ”怒りの会見“拒否”
「横浜DeNAベイスターズ2-1阪神タイガース」(18日、横浜スタジアム)
阪神・岡田彰布監督(65)が怒りの猛抗議を見せた。1点を追う九回1死一塁。二盗を試みた代走・熊谷のセーフ判定がリプレー検証の結果、アウトに覆った。遊撃・京田の左足が二塁ベースをふさぐ形となっており、指揮官は見解を求めて審判団に詰め寄った。だが、再び判定は覆らずに敗戦。2位・広島が敗れて優勝マジックは28に減ったが、後味の悪い敗戦となった。
あまりの怒りに顔はこわばっていた。試合後、取材エリアに現れた岡田監督は「もう、しゃべることないわ。ええよ」とだけ言い残し、足早に歩を進めてバスへと向かった。
今季初めての猛抗議だった。1点を追う九回、1死から代走・熊谷が二盗。ベースカバーに入った遊撃・京田の左足が二塁ベースをふさぐ形となったが、判定はセーフ。DeNA・三浦監督がリクエストすると、敷田三塁塁審がマイクを握り「走者と野手が接触していますが、“妨害”とは致しません。よってアウトと判定します」とアナウンスした。
鬼の形相で三塁ベンチを飛び出した岡田監督が説明を求めて敷田審判に詰め寄ると、球場は騒然となった。二塁を指差しながら押し問答を続ける虎将を後押しするように、左翼席の虎党からは“岡田コール”も沸き起こり、平田ヘッドコーチが仲裁に入る場面もあった。抗議が遅延行為として退場になる5分間を超えようとするところで、最後は審判団になだめられるようにしてベンチへ下がった。
試合後も異様な雰囲気が残った。虎党のブーイングは鳴りやまず、DeNAのヒーローインタビュー中には「六甲おろし」の大合唱も響いた。
責任審判の敷田三塁塁審は試合後、「お互いに精いっぱいのプレーをしてああいう形になった。(熊谷の足が)ベースに届いていないからアウトにするというのが答え」と見解を説明した。
執念の采配も実らなかった。同点の七回に1死一、二塁とすると、代打・原口が遊撃内野安打で満塁の好機を演出。さらに村上の打順でミエセスを送ったが、三塁への痛烈な打球は宮崎の好守に阻まれ併殺に終わった。
約1カ月ぶりとなる連敗。優勝マジックは28に減ったが、岡田監督の猛抗議は“アレ”への吉兆でもある。判定を巡って荒れた05年9月7日の中日戦で「めちゃくちゃしたれ」の伝説の名言が生まれ、チームが優勝へ加速したことはあまりにも有名だ。仕切り直しとなる一戦で勝利を収め、“アレ”へのターニングポイントとする。
▼試合後の敷田三塁塁審、小林二塁塁審との一問一答
「お客さんを含めて妨害とかそういう思いがあるのかなと思って、先にマイクで妨害とはしないと。それから判定はアウトと伝えた。監督の意見は妨害、足をあんな形でふさいでいたと。我々審判団のリプレー検証の結果は故意とかではないので偶然あの形になった、お互い精いっぱいのプレーをして、ああいう形になったので、ベースに届かないのはアウトにするしかないということで、アウトの答えを出しました」
-妨害かどうかを確認するリプレー検証か。
「走塁妨害というふうに見てないので、はい。ベースに届いてないからアウトにするというのがきょうの答えです。あくまでも守備側に故意的なものが見えればフェアプレーじゃないのかと考えるんですけど、きょうのは精いっぱいのプレーでたまたまああいう形になったというのが検証の結果です」
-遅延行為はとられなかった。
「まず3分超えたところで遅延行為で退場になりますよと伝えた。監督は納得いかないと。意見も伝えたということで下がってくださいと。自分の時計では4分半だったのでこれ以上やったら退場になりますよと」
-監督から暴言はあったか。
「暴言はいっさいないです」