「これといった武器が俺にはないし…」劣等感バネに続く阪神・村上の躍進
「東京ヤクルトスワローズ2-4阪神タイガース」(1日、神宮球場)
阪神は村上頌樹投手(25)が7回3安打無失点の好投で9勝目を挙げ、連敗を3で止めた。2位・広島が敗れたため、優勝マジック18が再点灯。両リーグ最速で70勝に到達した。
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今オフは少しは胸を張れるだろうか-。昨秋キャンプでチームの同学年会に参加した村上。佐藤輝、才木、浜地らは1軍で結果を残していた中、昨季1軍登板なしに終わった自分のふがいなさを実感していた。
同じ投手の浜地は52試合に登板して21ホールドを記録。才木は右肘の故障明けから4勝を挙げ、球威抜群の直球、落差のあるフォークで敵を圧倒した。今では相手にとって脅威となっている“真っスラ”は、当時の村上にとってはコンプレックス。「これといった武器が俺にはないし…」。実績もない、特徴もない。自分で誇れるものはなにも見つからなかった。
球宴ではファン投票、選手間投票でセ・リーグ先発投手部門1位を獲得して初出場。現在はチームトップタイの9勝と先発陣の柱となっている。1998年世代の仲間に感じた劣等感をバネに、村上の躍進はまだまだ続く。(デイリースポーツ阪神担当・北村孝紀)