【小山正明氏の眼】阪神・伊藤将はプロの投手が見本とすべき投球 特徴はないが味がある
「東京ヤクルトスワローズ1-7阪神タイガース」(3日、神宮球場)
阪神・伊藤将司投手が100球未満での完封勝利(通称マダックス)は逃すも、1失点完投でヤクルトに同一カード3連勝。優勝マジックを15とした。同カードの7連勝は2015年以来8年ぶりで、貯金は今季最多タイの28となった。デイリースポーツ評論家の小山正明氏は「プロの他の投手は見本として、よく見て参考にすべき」と絶賛した。
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僕も現役時代にそうだったが、立ち上がりに点が入ると意外と投げづらい。投球が雑になりがちだが、伊藤将は丁寧な投球だった。早いカウントから仕掛ける打線に、両サイドを攻める制球が素晴らしかった。変化球も同じ腕の振りでキレ、制球ともに申し分ない。
過去の経験からくるものだろうか、1球の怖さを知っているのだろう。1球を丁寧に投げる姿が、ありありと見える。特別に取り上げて「この球」というのはない。ただ、特徴はないが、味がある。プロの他の投手はいい見本として、よく見て参考にすべき投手だ。
このゲーム差とチーム状況を考えれば、広島のどんでん返しはないと考える。あとは、故障者がチームから出ないように。いい状態を維持して最後まで…最後というのは日本一まで、戦い抜いてほしいと願っている。