阪神・西勇が完封「歓声すごく泣きそうに」 55年ぶり先発全員星で9連勝 CS進出決定!
「阪神タイガース1-0読売ジャイアンツ」(12日、甲子園球場)
甲子園で胴上げをしたいんや!!阪神・西勇輝投手(32)が2安打完封勝利で86年ぶりとなる今季3度目の9連勝を導き、優勝マジックを「3」とした。さらに9連勝すべて先発投手に白星が付いたのは55年ぶりと、記録的な一勝となった。巨人のV逸も決まった痛快な勝利で今季の3位以内も確定し、クライマックスシリーズ進出が決定。最短優勝は14日。もうここまできたら本拠地で決めてや!!
宿命のライバル相手に、西勇が付け入る隙を与えない。無失点のままマウンドに向かう九回、登場曲「Always」が再び流れて、西コールが聖地を包んだ。「歓声がすごくて泣きそうになりました。まだ勝ってないのに。鳥肌がすごかった。体感したことないような感じで、感動が強くなったし」。あふれる感情を最後の力に変えた。
2死から一走・重信の盗塁死を見届けると、両腕を突き上げて歓喜を表現。坂本とは熱い抱擁を交わした。9回2安打の今季初完封で、チームを1937年以来の年間3度目となる9連勝にけん引。自身の完封勝利は昨年8月19日・巨人戦(東京ドーム)以来、通算12度目となった。
立ち上がりから完璧だった。初回先頭から2者連続三振。二回から2イニング連続で先頭の出塁を許したが、いずれも併殺打でピンチの芽を摘んだ。七回は一発が許されない場面で、主軸との対峙(たいじ)。2死一塁で岡本和を二ゴロに仕留め、雄たけびを上げた。
迷いのない117球で虎党を魅了した。常日頃、心を整えることを重要視し、自己啓発本を好んで読む。「とにかく気になったものはネットで買って。最近は著者のYouTubeも見たりとか。何でも貪欲にあさってます」。体だけでなく、マインドもしっかりと調整して、最高のパフォーマンスを引き出した。
両リーグ今季最短の2時間6分での完封劇。7勝目をつかんで、9連勝オール先発勝ち星という68年以来の快挙につなげた。セーブのタイトルが懸かる岩崎に、九回のマウンドを譲る気持ちもあったが、岡田監督は続投を決断。「きょうは西勇に尽きます。今年一番のピッチングじゃないですか」と賛辞を惜しまなかった。
プロ15年目で初めてのアレへ、自らの右腕でマジックを減らした背番号16。「チームのためにやってるから、勝って良かった、それだけ。あの1点を守れて良かった。早くみんなでビールかけしたい」。記録的な一勝。勢いは止まらない。悲願の美酒を味わう日は、もうすぐそこに迫っている。
◆今季3度目9連勝 阪神が5月20日~30日(9連勝)、8月3~13日(10連勝)に続く9連勝。年間で9連勝を3度達成したのは14連勝1度と9連勝2度を記録した37年以来86年ぶり。同年は春秋2シーズン制だったため、春季9連勝1度、秋季14連勝1度と9連勝1度だった。1シーズン3度は今回が初。
◆今季最短試合 阪神-巨人(21)戦は試合時間2時間6分。6月14日・DeNA-日本ハム②戦の2時間8分などを更新する今季両リーグ最短試合。