阪神・岡田監督夫人陽子さん【手記】「あんなにも笑って、喜んでいる姿にびっくりです」
阪神・岡田彰布監督(65)の妻・陽子さん(64)が、18年ぶりのリーグ優勝へ導いた主人を祝福した。笑って喜ぶ姿に驚き、いきいきと采配を振る姿を喜んだ。阪神の今季のスローガン「A.R.E」のアルファベットに続く英単語を考案したことを明かし、その言葉に込めた思いも明かした。
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ついに優勝ですね。ほっとしました。ファンの皆さま、応援ありがとうございました。
今回、主人は65歳になっての監督復帰でした。体力面やコミュニケーションなど、いろいろと心配していましたが、今年は表情が明らかに柔らかかったですね。
ベンチであんなにも笑って、喜んでいる姿にびっくりしました。自然と出てきているんでしょう。演技をするような人じゃないので。
好きなことをやっているからエネルギーが出るのかな。今年は特に暑かったので「夏はバテるんじゃないか」、「いつへたるかな」と心配していましたが、思っていたよりもすごく元気ですね。「そら、しんどいわ」という言い方が元気なんで(笑)。
主人は前回、星野さんというすごい濃い人の後、04年に初めて1軍監督になりました。03年に優勝していましたし、今思えば威厳を示すじゃないけど、気負っていた部分もあったかなと思います。08年の最後の方は、悲愴(ひそう)感が漂っていましたしね…。
でも、今回は「チームとしてどんどん成長していく」と言っていたので、前回とは違ったやりがいがあったと思います。
家に帰って来たらよく話すし、夏頃には「選手の性格もだいぶ分かった」と言っていました。選手たちがついてきて頑張ってくれて、成長する姿を見るというのは、すごくやりがいあるし、楽しかったのではないでしょうか。喜びはとても大きいと思います。
今年のスローガンは「A.R.E」。私は父の仕事の都合で中学2年から6年間、カナダのモントリオールに住んでいて英語が理解できるので、申し訳なかったのですが、球団にお願いしてアルファベットに続く言葉を考えさせていただきました。
「R」は「Respect」。主人の思いも込め、先輩に敬意を表するという意味で選びました。
主人は今回の就任にあたって、「勝って優勝する」だけではなく、もっと大きい目標があるのかなと感じていました。
春季キャンプで赤星さんや鳥谷さんを呼んだように、自分たちOBやコーチが学んできたことを伝えて、今の選手たちに「考え方や技術を継承してもらいたい」と考えていると思います。
その学んだ人たちにタイガースを背負って受け継いでもらうというか。「いいことを受け継いでいく」という意味では、「Respect」であれば、それを大きくくくった感じになるな、と思い選びました。
でも、「アレ」がこんなにも広がっちゃうなんて(笑)。主人が試合中になめるパインアメも、売り上げが何倍にもなっているとか。影響力があり過ぎて怖いぐらいです。盛り上がっちゃって、おもろいおじいちゃんみたい(笑)。
でも、根っからの関西人なので笑いが取れるのは、一番の喜びかもしれません。「なんや、バカにして」みたいに怒りそうだけど、面白いことを言ってなんぼみたいなところがあるので。誰かがそれによって喜ぶし、悪いことでもありませんしね。
今年に関しては、家で過ごすことが息抜きだったのではないでしょうか。久しぶりに監督になりましたし、阪神は遠征も多いので。たまの休日は家のテレビで好きなサスペンスドラマを見たり、将棋を見たり。心からのんびりするというのが癒やしになっていたと思います。
だから、私も優勝が決まってもいつも通りです。これからも主人が家に帰ってきた時にいっぱい話をして、ストレス発散できるように、私はちゃんと試合を見て応えられるようにしたいと思います。