阪神・岩崎 横田さんとともに胴上げ投手に “代役”守護神が32S「うれしいだけでは言い表せない」
「阪神タイガース4-3読売ジャイアンツ」(14日、甲子園球場)
7月に天に召された同期・横田慎太郎さんの思いを背負って、胴上げ投手となった。阪神・岩崎優投手(32)はゲームセットの瞬間、グラブをはめた右手を天に突き上げた。横田さんのユニホームとともに胴上げされ、「最高です。ひと言で表せばうれしいにはなりますけど、それだけでは言い表せないです」と歓喜に浸った。
九回のマウンドに向かう際、普段とは違う登場曲に背中を押された。横田さんが使用していた、ゆず「栄光の架橋」。チームメートにも内緒のサプライズに、聖地では大合唱が湧き起こった。
“代役”として始まったポジションを完遂した。「春先はね、いずれは湯浅がやるものだと思ってました。それまでは、ぐらいの感じで」。6月に湯浅が2度目の抹消となったとき、クローザーを担う覚悟を決めた。プロ10年目、肩周りのインナーマッスルトレーニングを強化しコンディションをキープ。「球種の中で緩急をつけたり、打者の反応を見ながらテンポをちょっと変えたり」と投球術にも磨きをかけ、抜群の安定感を発揮した。
ブルペンでは岩貞や加治屋がムードメーカーとなる一方、自身は短くも的確なアドバイスを後輩へ授けてきた。レジェンド守護神・藤川を見習っての習慣だ。「気になったことは言うようにしてました。登板前でも後でも翌日でも。配球面の事が多いですかね」。日々の声掛けが鉄壁リリーフ陣の礎となった。
自身最多を更新する32セーブでリーグ制覇に貢献。次は日本一への挑戦だ。「そこがアレですよね、本当の。最後も勝ちたいので」。頂上決戦でもセーブを挙げて真のフィナーレに導く。