【藤田平氏の眼】常勝へまだまだ強くなる岡田阪神
「阪神タイガース4-3読売ジャイアンツ」(14日、甲子園球場)
阪神が2005年以来、18年ぶり6度目のリーグ制覇を達成。甲子園に詰めかけた虎党の大声援にも後押しされて、今季最長となる11連勝でゴールテープを切った。デイリースポーツ評論家・藤田平氏(75)は栄冠に導いた岡田彰布監督(65)との秘話を明かすとともに「このチームは、まだまだ強くなる」とさらなる躍進を予言した。
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最近、よく思い出す。1985年、タイガースがリーグ優勝を果たした日だ。私は解説の仕事で神宮に行き、優勝した試合を見届けてからタクシーで宿舎に戻ると、当時主力で活躍した岡田監督から連絡が来た。『一杯やりませんか?』と。ビックリした。
みんなでどんちゃん騒ぎするかと思っていた。私は前年の84年シーズンで現役引退。それまで一緒にやってきたということで連絡をくれたのだと思う。その日の夜は2人で祝杯をした。岡田監督という男は、何と言うか、そういう気遣いのできる男だ。
今回の監督就任が決まり、『待ちに待った自分の出番』と意気に感じたと思う。機会をくれた球団にも感謝しただろう。当然、プレッシャーもあったはず。それでも『アレ』という目標を設定して選手の気持ちを乗せた。優勝の瞬間、ベンチの岡田監督は泣いていたように見えた。最後、優勝を決めたことで涙が出たのだろう。
ひとつ肩の荷が下りたのではないか。今度はクライマックスシリーズ、日本シリーズという新たなハードルがある。油断はないはず。このチームは、まだまだ強くなる。そして、来年以降へ続く常勝軍団を作ってくれるはずだ。