阪神・佐藤輝 2軍落ちを「きっかけにしたいなと」 糸井「やっぱりチームには100%欠かせない」【V記念対談2】
阪神の18年ぶりリーグ制覇を記念して、佐藤輝明内野手(24)と、球団スペシャルアンバサダーでデイリースポーツ評論家の糸井嘉男氏(42)のスペシャル対談が実現した。2軍落ちで感じたこと、また目標に定めていた本塁打20発に到達した今の心境などなど…佐藤輝が慕う糸井氏の前だからこそ明かした本音とは?
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-2軍降格時には糸井さんがデイリースポーツの評論で「成長のために通るべき道」と。どう受け止めた。
糸井「そんなん見てないでしょ?」
佐藤輝「いやいや、まあ(2軍に)落ちたのがいいとは言わないですけど、それを次につなげていかないといけないなとは思っていました。2軍に行ったから打撃フォームがこうとかはあんまりないですけど、ずっと1軍にいる時もやっていたので。でも一つのきっかけにはなったかも分からないです。きっかけにしたいなという思いはありました」
糸井「自力で上がってきて、今は結果も出ているし。ファームに落ちて、そこでそのまま沈んでいく選手だっているからね。特にやっぱりこういう優勝争いしている9月に活躍できる選手ってなかなかいないし、そこで活躍できるのはスター性がある!やっぱりチームには100%欠かせない。ホームラン、打点のチーム2冠ですから。あれ!?2軍落ちた時も2冠やったっけ(笑)」
佐藤輝「そうですね…(苦笑)」
糸井「あのスタートダッシュ決めた時のテルの存在もすごい大きかったし、打点挙げた試合はどんどん連勝してた。後半もテルが打ってるから、こんだけ連勝もできてる。他の選手も相乗効果で打ってるんじゃないかな?で、5番で打点を挙げているっていうのがすごい!」
佐藤輝「ランナーいる場面も多いですし、そこでしっかり、こう、ある程度打てているかなというのはありますね」
糸井「ほんまは(シーズン前の目標は)30本やったけど。2軍落ちたからね。20にしてあげて!でもホンマにね、14本くらいの時に『20はクリアせえよ』って言ったもんな?」
佐藤輝「そうですね」
糸井「『分かりました!!』(大声でマネしながら)って言ってから、右肩上がりやもんな」
-普段はどういう形で連絡を取り合っているのか。
糸井「まあ、たまに外で会って飯行ったりとか。(8月の東京ドームの時にも)何人かで行ったけど、いつもたわいもない会話やね」
佐藤輝「そうですね。普通の男の会話ですね。それ以上は想像にお任せします(笑)。でも野球の真剣な話もまあ、ちょろっとは」
糸井「そうそう、(東京ドームで行った時も)『どんな雰囲気なん?マジック出て』とか、そんな話をね。まあ、でもマジック20なんぼの時は意外とピンとこなかったけどね」
佐藤輝「そうっすね。20なんぼの時は別に何も考えてなかったっすね~」
糸井「まだまだ先は長いというイメージで…」
佐藤輝「(9月8~10日に)カープに3連勝をした時くらいから来たなって感じでした。試合に入れば、そこに集中するのでベンチではあれですけど、試合後のロッカーとか結構みんなそわそわというか…していましたね。(その後の巨人戦では)みんなカープの情報が気になったりとか」
糸井「分かるわ~。あったあったそういうの!対象チームの試合状況ね。俺なんか日ハムと対象チームが試合してんのに『対象チームどうなったん?』とか言って、ハッハッハッハ!!自分らがやってるのにね」
佐藤輝「聞いたことあるわ、それ(爆笑)」
◆佐藤 輝明(さとう・てるあき)1999年3月13日生まれ、24歳。兵庫県出身。187センチ、93キロ。右投げ左打ち。内野手。仁川学院、近大を経て2020年度ドラフト1位で阪神入団。プロ1年目の21年は歴代新人左打者最多となる24本塁打をマーク。今季はセ・リーグ優勝を決めた14日・巨人戦で20号2ラン。NPB史上初となる左打者で新人から3年連続20本塁打を達成した。
◆糸井 嘉男(いとい・よしお)1981年7月31日生まれ、42歳。京都府出身。現役時代は右投げ左打ちの外野手。宮津から近大を経て、2003年度ドラフト自由枠で投手として日本ハム入団。06年に野手転向。13年オリックス移籍。17年FAで阪神移籍。22年現役引退。首位打者・盗塁王各1回、最高出塁率3回、ベストナイン5回、ゴールデングラブ賞7回。13年WBC日本代表。