阪神・佐藤輝「(21年のV逸)経験が生きていますね」 糸井氏「最終形になってきたんちゃう?」【V記念対談3】
阪神の18年ぶりリーグ制覇を記念して、佐藤輝明内野手(24)と、球団スペシャルアンバサダーでデイリースポーツ評論家の糸井嘉男氏(42)のスペシャル対談が実現。仲のいい師弟ならではの軽妙なトークを展開した。
◇ ◇
-21年にわずかの差でヤクルトに逆転優勝を許した。それだけに今回の優勝は意味がある。
糸井「あの時はホンマにすごかったから。交流戦終わってからちょっとアカンようになったけど…。優勝は僕も経験ありましたけど、あんなに(ゲーム差で)離したことがなかったので、それくらい確信があったんですけどね。ヤクルトがそれ以上にきたんで、めちゃくちゃ悔しかったんですけど…あの経験は生きているんじゃないですか?」
佐藤輝「それは確実にね、経験が生きていますね。やっぱりどれだけ差があっても油断してはいけないというか」
糸井「そのおかげか8、9月にダントツに伸びたよね。え、もう優勝?みたいな」
-まだ若いチームでの優勝。この先のタイガースへの期待は。
糸井「輝明、森下選手じゃないですか?その2人が8、9月に稼ぐというのはすごいし、やっぱり刺激も受けるやろ?」
佐藤輝「そうですね。同じドラ1でホームランバッターとしては」
糸井「右、左ですごい楽しみでしょ」
-森下とは最近仲の良さが目立つ。
佐藤輝「最近ではないですよ。きっかけというか、アイブラックで注目されるようになってからじゃないですか?注目されるようになって(周りが)仲いいなって」
-シーズン中に糸井さんから技術的なアドバイスもあったのか。
佐藤輝「調子が悪かった時に『悪かった時はこう、良くなった時はこうなっていた』とか」
糸井「『もうちょっと早くタイミング取ったりせえ』とか、そんな感じですね。強制はしないですけど。でもほんまに8、9月は通用するバッティングをしてる。安定感もあるので。本当に打率も残せるような最終形になってきたんちゃう?なにより、こういう時期にすごい打ってるというのはすごいスターじゃないとできない」
-上り調子でシーズン終盤に。ポストシーズンでの期待は。
糸井「まあ、短期決戦は難しいですよ。本当に(波に)乗れない選手は乗れないまま終わりますし、まあでもこの調子でいったらテルらしくできると思いますし、日本一でも見たいね、(19号後に佐藤輝が決めたポーズでイジりながら)こうやってんの(笑)」
佐藤輝「そうっすね(笑)。まだ先のことではあるんですけど、一試合一試合集中してやっていきたいなと思います」
糸井「偉い!!」
-佐藤輝には一発でムードを変える力がある。
糸井「ほんまにホームランというのはガラッと変わるので。それを打てるのがタイガースでは輝、大山選手、森下選手…その中でも輝が一番打ってるし、ホームランというのはそういう力がある。一気に変える…じゃないと、(また19号のポーズしながら)こんなん出えへん(笑)」
◆佐藤 輝明(さとう・てるあき)1999年3月13日生まれ、24歳。兵庫県出身。187センチ、93キロ。右投げ左打ち。内野手。仁川学院、近大を経て2020年度ドラフト1位で阪神入団。プロ1年目の21年は歴代新人左打者最多となる24本塁打をマーク。今季はセ・リーグ優勝を決めた14日・巨人戦で20号2ラン。NPB史上初となる左打者で新人から3年連続20本塁打を達成した。
◆糸井 嘉男(いとい・よしお)1981年7月31日生まれ、42歳。京都府出身。現役時代は右投げ左打ちの外野手。宮津から近大を経て、2003年度ドラフト自由枠で投手として日本ハム入団。06年に野手転向。13年オリックス移籍。17年FAで阪神移籍。22年現役引退。首位打者・盗塁王各1回、最高出塁率3回、ベストナイン5回、ゴールデングラブ賞7回。13年WBC日本代表。