「東京ヤクルトスワローズ（降雨中止）阪神タイガース」（２２日、神宮球場）

　雨天のため、試合中止が発表された。

　定刻１８時からの開始時間を遅らせて雨雲の通過を待ったが、開催はかなわず。中止のアナウンスにファンから「えー！」の悲鳴も漏れた。

　それでも、中止が決まると、シートが貼られたグラウンドに阪神のムードメーカー、ミエセスがへルメットをかぶり、バットを持ってサプライズ登場。セーフティーバントを見せた後、一塁、二塁に水しぶきを上げながらヘッドスライディングした。

　さらに、二塁にけん制で戻る細かいパフォーマンスも披露した後、三塁へ。三塁コーチャー役の糸原、腕をグルグル回すとミエセスは本塁突入。豪快なヘッスラに両軍ベンチ、ファンから爆笑がわき起こった。

　ミエセスは明るいキャラクターで人気を集め、優勝決定後のビールかけでも岡田監督から「ミエちゃん、今日主役ちゃうよ」といじられていた。

　中止決定前の両軍ベンチではこんなやり取りもあった。大型ビジョンに１８時半開始予定と伝えられる中、阪神・坂本や、ヤクルト・中村、オスナらがジェスチャーで会話。雨天中止になった場合の“ヘッスラ要員”を伝え合っているもようで、坂本は手で「５５」の表示。ベンチ奥からミエセスが登場し、笑いを誘っていた。

　この試合、６番・左翼で出場予定だったミエセスもオスナにあおられるようにウォーミングアップする様子もみせ、準備。結局、“打ち合わせ”通りの展開となった。

　ミエセスの後、ヤクルトベンチからも丸山、長岡が登場。ズブ濡れになりながら各ベースで滑り込み、ファンを盛り上げていた。

　ミエセスは「試合が中止になったのでファンの人に何か楽しんでもらえることができればなと思っていたのでやりました」と語り、スタメン予定の試合が流れたことに「ファンの人に楽しんでもらえるようにしっかり活躍したいなと思います」と意気込んだ。