阪神・平田ヘッド Vへの転機は岡田監督のブチ切れ 8・18DeNA戦「ああいった緊張感がないと駄目」

 阪神を18年ぶりのリーグ優勝へ導いた岡田監督を支えた首脳陣も、さまざまな思いを抱いてシーズンを戦った。コーチが今季を振り返る「18年ぶり頂点 コーチに聞く」。平田勝男ヘッドコーチ(64)は監督とヘッドの関係で2度目の優勝を経験した。05年と今回の岡田監督の変化。そして、変わらなかった部分を一番近くで感じていた。

  ◇  ◇

 05年に続いて、再び岡田政権下で参謀として優勝を迎えた平田ヘッド。18年ぶりリーグ制覇へターニングポイントとなった試合として、迷いなく挙げたのが8月18日・DeNA戦(横浜)だ。

 「ブチ切れて、久しぶりに。ああいった緊張感がないと駄目なんだよ」。岡田監督が今季一番と言っていいほどの怒りを爆発させた一戦だ。

 1点を追う九回1死一塁で、代走・熊谷が二盗を試みてセーフと判定された。直後に三浦監督がリクエスト。リプレー検証の結果、ベースカバーに入った遊撃・京田の左足が二塁ベースをふさぐ形となっていたが、アウトに覆った。後にルール変更につながった問題のプレー。指揮官は遅延行為で退場となる5分ギリギリまで審判に詰め寄った。

 「選手たちにも伝わったと思う。あの執念というかね。もう一回ピリっとするというか、監督のそういう執念を感じたゲームじゃないかな。あそこからもう一つギアを上げるじゃないけど、ポイントになったゲームの一つじゃないかなと思う」

 平田ヘッドが脳裏に思い起こす、前回優勝イヤーの試合がある。05年9月7日・中日戦(ナゴヤドーム)。微妙な判定が続いた末、九回守備の本塁クロスプレーでのセーフ判定を巡って、岡田監督が猛抗議。指揮官を守ろうと体を張った平田ヘッドは、球審への暴力行為で現役時代も通じて初の退場処分となった。

 「8月18日はやっぱり、2005年9月に名古屋で(抗議中断に)なったみたいな。一番の今年のアレじゃない?あのときはやっぱりホテルに帰っても、もう…」。横浜でVへの不屈の闘志を見せた岡田監督。その熱い姿を、18年前の名古屋のものと重ね合わせた。

 鬼気迫る表情が印象に残った一方で、「ベンチでよう笑ってるやろ」と指揮官の笑顔も指摘。「タイガースに帰ってくるまで、『俺ならこうするのに』というのが解説しながらもあったと思う。若い選手が多いし、監督もやりやすいと思うよ。存分に野球を楽しんでいるようなところがあるもんね」。将の喜怒哀楽を一番近くで感じながら、平田ヘッドはVロードを支えた。

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