阪神・岡田監督 原監督との采配合戦「大好きやわ」 7・26巨人戦 3投手繰り出す相手に代打攻勢で応戦

 6回裏2死二塁、大江(右から2人目)に交代を告げる原監督(中央)=7月26日
 6回裏2死二塁、大江に代わって登板した菊池(96)から適時打を放つ原口=7月26日
 6回裏、代打策が当たり、ベンチでバンザイをする岡田監督=7月26日
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 就任1年目で見事に阪神を18年ぶりのリーグ制覇に導いた岡田彰布監督(65)。先の先まで読み切ったような采配は何度も見る者をうならせた。その“神采配”を振り返る。

  ◇  ◇

 岡田監督の表情は生き生きとしていた。7月26日の巨人戦(甲子園)。2点を追う六回2死二塁で打席に8番の木浪を迎えた。是が非でも1点が欲しい場面に映ったが、虎将の考えは違っていた。

 「0点でも良かったんだけど。(七回以降の)3イニング用の投手を入れる場所が必要やったからね」。木浪が倒れた場合は8番に桐敷、七回の攻撃で先頭となる9番に小幡を入れる考えだった。

 ところが、原監督が先に動いた。この回から起用した船迫に代えて左腕の大江を投入した。「だから勝負かけたんや」。機を見るに敏。岡田監督は木浪の代打に右打者の小野寺を送った。四球を選んで2死一、二塁と好機が広がると、投手の島本には代打・原口を告げた。すると原監督は大江に代えて右腕・菊地を送り込んだ。原口の左前適時打で1点差に詰め寄り、七回逆転劇の呼び水となった。

 勝負師の血がたぎった。投手3人を繰り出した原監督に代打攻勢で応戦。岡田監督は采配合戦に「いやいや、大好きやわ。こっちは(選手の)駒がおるからな」と会心の表情を浮かべた。同世代でもある原監督との駆け引き勝負を心から楽しんでいるようだった。

 8月10日の対戦(東京ド)では1点リードの八回1死一、三塁で迎えた中田翔に、3連投の右腕・加治屋を当てて空振り三振に仕留めた。続く秋広の打順で島本にスイッチ。原監督は代打・岸田を送ったが、左腕は三ゴロに抑え込んだ。九回の攻撃では1死一塁で9番・島本に代打・糸原を告げると、原監督が高梨へ継投。“代打の代打”で送り出した原口が左中間に2ランを運んで決着をつけた。

 百戦錬磨のタクトで幾度も勝利をたぐり寄せた。他球団スコアラーは「確実に1点を取りにいく。やっている方は嫌でした。打順の巡りを意識して采配されていた」と「岡田采配」の印象を語った。

 今季は巨人に対して球団史上最多の18勝(6敗1分け)を挙げて圧倒した。「まあ、負けるより勝った方がええわ」と語った表情はどこまでも誇らしげだった。(阪神取材班)=この項終わり=

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