阪神・岡田再生工場 不振森下は「もう突貫工事よ」 甲子園でシーズン後に打ち込み指令 PSも主軸「勢いつけるからな」
阪神の岡田彰布監督(65)が28日、新大阪駅で取材に応じ、不調にあえぐ森下翔太外野手(23)に「突貫工事」を施す考えを明かした。ポストシーズンでも主軸を託すルーキーの不振脱却へ、甲子園で「打ち込み」をさせる考えも示した。チームは29日・DeNA戦(横浜)に向けて横浜へ移動した。
期待が大きいからこそ、放ってはおけない。不振にあえぐ森下に話が及ぶと、岡田監督は少し頬を緩めながら切り出した。
「森下はもう、突貫工事よ、これからは。まあ、まだちょっと試合があるからな、もう試合が終わってからになるけどな」
9月に入って6試合4本塁打と打棒を振るっていた。18年ぶりの優勝を決めた14日・巨人(甲子園)でも3安打を放つなど、貢献度は光ったが、以降は急降下。27日・中日戦(甲子園)で16打席ぶりのヒットを含む2安打を記録したが、決して会心の当たりではなかった。直近10試合で40打数5安打、打率・125。本人も「感触はそんなに良くない」と表情を曇らせた。
レギュラーシーズンのように時間はない。指揮官が「3試合も4試合もノーヒット続いたら終わってしまうからのお」と言うように、短期決戦ではわずかな不調が命取りになる。早期の復調が必須なのは言うまでもない。
当初は10月9日から始まるフェニックス・リーグに、1軍本隊が合流予定だった13日より前に宮崎入りさせる予定だったが「まだ決めてない」と翻意。「甲子園ではそら練習あるやろ。打ち込ませるよ」と実戦機会で数少ない打席数をこなすより、練習で時間をかけてバットを振らせる可能性も示唆した。
「そらクリーンアップ打たすつもりでおるんやから。そんなもん打たんと、お前」と笑った。ポストシーズンで主軸を託す考えは変わらない。「チームに勢いつける、そういう打ち方するからな」。森下がチームにもたらす影響を熟知しているからこその言葉だ。
残り4試合で復調のきっかけをつかめるか。岡田監督は「いろんな試行錯誤みたいなものを自分でやって、そこでポンっと1打席でハマる時があるんよ。1打席じゃなしに1球でハマる時もあるよ」と自身の経験も踏まえて語った。熟考を重ねた先に浮上の兆しは必ずある。不振脱却を誰よりも願うのは、岡田監督に他ならない。