阪神・森下 フェニックスLで実戦漬けよ 岡田監督“突貫工事”終了宣言「自分が気付けばええんや」
阪神・岡田彰布監督(65)が5日、東京駅で取材に応じた。一時の不調を脱した森下翔太外野手(23)について“突貫工事”の終了を宣言し、今後は実戦の中で完全復調するよう求めた。森下は9日から始まるみやざきフェニックス・リーグにレギュラークラスで唯一、初日の9日・巨人戦(サンマリン)から参戦予定。日本シリーズ進出へ、本人も決意新たに打撃の見直しを図る考えを明かした。
今季最終戦から一夜明け、岡田監督が雑踏の東京駅ホームで口を開いた。話題は不調のトンネルから脱した森下だ。「ゲームになると打たなあかんとか、いろんなことがなあ。それで壊れていっとるわけやから。まあ、ゲームの中で結果が出たらええわけやから」。森下は主力で唯一フェニックス・リーグに初戦から参戦予定。最大6試合、実戦漬けの中で結果を出し、完全復調するように求めた。
森下はリーグ優勝後から絶不調に陥り、ベンチで涙を流した試合もあった。先月下旬、指揮官は「森下はもう突貫工事よ」と、フェニックスでの実戦ではなく甲子園での打ち込みを検討したほどだ。だが、翌30日・広島戦(マツダ)で代打安打を放つと、1日の同戦も中堅フェンス直撃の二塁打。4日・ヤクルト戦(神宮)でも左翼フェンス直撃の二塁打を放った。待望のアーチこそ生まれなかったが、ラスト3試合は8打数4安打と復調気配を漂わせて、レギュラーシーズンを締めくくった。
岡田監督は「突貫工事ということはすぐに直るというわけやろ。すぐ直りよったやん」とニヤリ。「自分で崩れんかったら、直るということやろ。練習ではそんな悪うないわけやから、自分が気付けばええんや」。18日開幕のCSファイナルSまで10日あまり。自信を持たせ、気持ちよく本番へ送り出す考えだ。
プロ1年目は94試合に出場し、打率・237、10本塁打、41打点。ここぞの勝負強さで、数字以上のインパクトを残した。日本シリーズ進出へ、森下は決意を新たにしている。
「一区切りついたので、フェニックス・リーグではまた気持ちを改めるというか、CS、日本シリーズに向けてやっていくところだと思っているので、一回、シーズンとは別に打撃の見直しを図っていきたいと思っています」
前回優勝の2005年の日本シリーズでは今江、西岡ら若手に大暴れされ、ロッテに4連敗を喫した。実績十分のベテランがそろった当時と違い、今回のチームは若く、勢いがある。その象徴がルーキー・森下だ。将の期待に応えるべく、南国でも貪欲にバットを振る。