阪神の今秋ドラフト“扇の要”は高校生捕手 常勝軍団の構築へ ポスト梅野&坂本リストアップ
阪神が26日に行われるドラフト会議で高校生捕手の指名を検討していることが6日、分かった。報徳学園・堀柊那捕手(3年)、常葉大菊川・鈴木叶捕手(3年)、明徳義塾・寺地隆成捕手(3年)らをリストアップ。他球団では上武大・進藤勇也捕手(4年、筑陽学園)が即戦力として注目を集める中、育成に主眼を置いた戦略を推し進める。
虎の未来を担う“扇の要”は高校球界にいた。阪神は今秋ドラフトで高校生捕手の指名を検討しており、報徳学園・堀、常葉大菊川・鈴木らがリストに名を連ねているという。
世代屈指の捕手として名をはせる堀は、抜群の強肩を武器に1年秋から正捕手を任されてきた。今春のセンバツでは5試合で打率・400と打撃でもアピールし、準優勝に大きく貢献した。50メートル6秒1と捕手としては俊足で高い身体能力を誇る逸材。地元兵庫という出自も魅力の一つだ。
鈴木も捕球から二塁到達まで2秒を切るという強肩が持ち味。甲子園初出場となった今春のセンバツでは初戦で敗れたが、変化球のタイミングで二盗を試みた走者を鋭い送球で刺して強いインパクトを残した。2年春から4番を託され、高校通算本塁打は20本を超える。4月にはU18(18歳以下)日本代表候補の強化合宿にも参加。今夏の甲子園出場こそ逃したが、阪神スカウト陣が地方大会にも足を運ぶなど継続的に調査を続けていた。
9月のU18W杯(台湾)で日本の初優勝に貢献した明徳義塾・寺地も広角に打ち分ける打撃で注目を集めている。
岡田監督は就任後から高卒野手の育成に強い意欲を示しており、中でも高卒捕手が定位置をつかめば、長くチームが安定するという考えを持つという。近年では高卒でプロ入りしたヤクルト・中村、オリックス・若月らが才能を開花させ、優勝したチームを支えてきた。
虎の主戦捕手では梅野が32歳、坂本が11月に30歳を迎えるため、次世代を担う“正妻”候補の育成は急務となっている。高卒捕手で21歳の藤田、19歳の中川らと切磋琢磨(せっさたくま)しながら成長を促したい考えだ。
ドラフト候補の捕手では大学日本代表で強肩強打の上武大・進藤が即戦力として高評価を集め、上位指名される可能性もある。一方で阪神は大学生の即戦力投手の1位指名を最優先にしており、捕手については長期的視点に立ちながら、将来性を見極めて指名に踏み切りたい。常勝軍団の構築へ、投手王国を支える守備の柱の育成は不可欠だ。
◆堀 柊那(ほり・しゅうな)2005年7月16日生まれ、18歳。兵庫県神戸市出身。179センチ、76キロ。右投げ右打ち、捕手。西須磨シーホークスで野球を始め、鷹取中時代は兵庫夙川ボーイズに所属。報徳学園では1年夏からベンチ入り。3年のセンバツでは準優勝。高校通算14本塁打。50メートル6秒1、遠投100メートル。
◆鈴木 叶(すずき・きょう)2006年3月21日生まれ、17歳。静岡県掛川市出身。181センチ、79キロ。右投げ右打ち、捕手。西山口野球少年団で野球を始め、掛川東中時代は硬式の浜松南シニアに所属。常葉大菊川では2年春から4番・捕手に定着。3年時にセンバツ出場。
◆寺地 隆成(てらち・りゅうせい)2005年8月19日生まれ、18歳。東京都墨田区出身。177センチ、77キロ。右投げ左打ち、捕手。墨田リトルで野球を始め、小5から足立リトルでプレー。錦糸中時代は城東ボーイズに所属し、3年秋から明徳義塾中に転校。明徳義塾では1年春から公式戦に出場。