阪神・近本 CS任せろ 岡田監督キーマン指名に鮮やかデモ 感覚ズレなし3安打「良かった」

 8回、右前打を放つ近本(撮影・中田匡峻)
 試合前、笑顔で練習を見守る岡田監督
 試合後、ファンにサインする近本
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 「フェニックス・リーグ、埼玉西武ライオンズ2-1阪神タイガース」(14日、アイビースタジアム)

 CSファイナルSに向けた鮮やかな猛デモだ。阪神・近本光司外野手(28)が14日、みやざきフェニックス・リーグの西武戦(アイビー)に出場し、初回と三回の初球撃ちでの2安打を含む3安打で、順調な調整ぶりをアピール。13日には岡田監督から、CS突破のキーマンとして初回の出塁を“勝利の条件”とされた中、本番での活躍を期待させる結果を南国の地で残した。

 CSキーマン指名が妥当であることを、鮮やかなデモンストレーションで証明した。4日のシーズン最終戦以来、10日ぶりの実戦で近本が3安打。「タイミング」をテーマに掲げて臨んだ“調整試合”で「タイミング自体はしっかり合わせられただけなので、合わせるっていうことだけは良かったです」と快音を重ねて、感覚のブレを感じさせなかった。

 13日に行われたCSに向けての共同会見で、岡田監督は「キーマンは一回の裏、先頭で近本が塁に出たら、勝つと思いますね」と発言。一夜明けて迎えた第1打席、育成左腕・菅井の初球、142キロ直球をセンター前へ。初回出塁をあっさり実現させた。

 再び先頭で巡ってきた三回も、初球撃ちで中前打。三度先頭で打席に入った八回は、カウント2-0からのスライダーを右前に鋭く運んだ。いずれもファーストストライクを見逃すことなく、ともした3度のHランプ。唯一凡退となった五回1死一塁でも、カウント2-0からファーストストライクを狙った。

 「ファーストストライクを打ちに行くっていうよりも、それをしっかり捉えるっていう感じですね。変化球見ようとか、ボール見ようってしたところで、シーズンでそんなことしないので」。大勝負を控えても、特別なことには取り組まない。普段通りの野球勘を、CS前の限られた打席で確認した。

 指揮官は前日の“予言”を踏まえて「きょう(初回の近本が)出ても勝てんかったな」と冗談めかしつつ、「そらあ、勢いっていうか、それは全然違うよ」と満足げ。「まあ結構見送る方が多かったけどな、シーズン。初球からでもいけますよ、というのを見しといたらええいうことやからな、結局はな」と伏線を評価した。

 この日開幕したCSは、ファーストS初戦から阪神への挑戦権を懸けて熱戦が繰り広げられた。猛虎の主力にとって15日のみやざきフェニックス・リーグ、日本ハム戦(SOKKEN)がファイナルS前のラストマッチ。運命の鍵を握るリードオフマンも、心残りなく総仕上げにかかる。

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