勝敗を分けた五回の守備 広島にとって大きな落とし穴とは「阪神・岡田監督が口にする守備の重要性を痛感」

 5回、村上の打球を捕れなかった一塁手・韮沢(撮影・中田匡峻)
 5回、右翼線に勝ち越し適時二塁打を放つ村上(撮影・山口登)
 5回、中前に2点適時打を放つ近本(撮影・山口登)
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 「JERA CSセ・ファイナルS・第1戦、阪神タイガース4-1広島東洋カープ」(18日、甲子園球場)

 阪神で通算2064安打を放ち、監督も務めたデイリースポーツ評論家の藤田平氏(75)が試合をチェック。勝敗を分けたポイントに、五回の阪神攻撃で生まれた広島の“拙守”を挙げた。

   ◇  ◇   

 同点の五回だった。阪神は1死から坂本の死球、木浪の右前打で一、三塁とした。

 ここで村上が初球を捉えて、一塁線へゴロを放った。しかし、広島の一塁・韮沢が捕球できずにそらして勝ち越し点が入った(結果は適時二塁打)。

 まず、韮沢はあの打球は最低でも止めないといけない。さらに捕球できれば、打者が投手の村上だったからゲッツーも奪えた可能性がある。

 私は新井監督がどういう意図で、韮沢を一塁で起用したのかは分からない。去年までの2軍での相性(ウエスタン通算14打数7安打、打率・500)を買って起用したのかもしれない。

 ただ、韮沢は2軍でも一塁での出場は5試合しかない。シーズン通じて試合に出ていても緊張する大舞台で、2軍でも一塁を守った経験が少ない選手を起用すると、こういうことが起こり得る。

 阪神は続く近本にも2点適時打が生まれた。0点で終わったかもしれない五回に、一気に3点を勝ち越せたのはラッキーだった。逆に広島にとっては大きな落とし穴になってしまった。

 油断をしたわけではないだろうが、一つのプレーでこういう事に陥ってしまう。岡田監督が常々、守備の重要性を口にしているが、それを改めて痛感する試合だった。

 阪神はこの勢いを2戦目に生かしたい。

 打線は阪神先発・村上が四回に先制を許したが、直後の四回に森下が同点ソロを放って一気にムードを変えた。そして、その勢いのまま五回の好機で勝ち越してシーズン同様の継投で勝ちきった。1勝のアドバンテージがある短期決戦で大きな1勝となった。

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