阪神・木浪 満塁男が決めた虎初CSサヨナラ 日本S王手!突破率100% 今季象徴の恐怖の8番に岡田監督も称賛
「JERA CSセ・ファイナルS・第2戦、阪神タイガース2-1広島東洋カープ」(19日、甲子園球場)
劇的決着に甲子園が大歓声と拍手に包まれた。「2023 JERA クライマックスシリーズ セ」のファイナルS第2戦が行われ、阪神が勝利。アドバンテージを含めて3勝0敗とし、日本シリーズ進出に王手をかけた。同点の九回2死満塁で木浪聖也内野手(29)が右前へ運び、球団初となるCSでのサヨナラ勝ちを導いた。4勝制の08年以降では、3勝0敗球団の突破率は100%。20日に3連勝で一気にファイナルS突破を決める!
木浪の腹は決まっていた。同点の九回2死満塁。覚悟を宿したバットから勝利の快音が鳴り響いた。
「ここで絶対決めようと思いました」
2球で追い込まれながらも、ファウルで粘って2ストライク1ボール。6球目の浮いたフォークを捉え、サヨナラの右前適時打を放った。直前に四球で出塁した坂本からは「任せた」とゲキ。つないでくれた仲間の思いに見事に応え、手荒いウオーターシャワーを全身で浴びた。
満塁でよく打つ。ポストシーズンに入っても驚異の勝負強さは不変だった。今季の満塁での成績は18打数8安打、打率・444に加え1本塁打、19打点。「打てる気がします」と堂々と“満塁男”を自負するだけの数字を残していた。
極限の勝負を制し続けられる秘訣(ひけつ)は、日頃の準備力に隠されている。試合前にはお気に入りのモチベーション動画に目を通して、メンタルの状態を確認。「気持ちができているときは何も感じない」と心理面の細部にまで気を使い続けた。
ルーティンとなっている全体練習前の自主練習など、どれだけ疲労がたまっていようとも試合の準備に隙を一切見せることはない。「やらなかったら後悔する。やらないことで報われることはないから」。自信を持ってグラウンドに立つべく、最善を尽くし続ける。その揺るぎない信条がここぞの一打を生み出している。
岡田監督は「ずっと1年間、8番で木浪がキーポイントになっていたけど、ここにきてほんとによく打ちましたね」と手放しで称賛。恐怖の8番が機能して勝つ。今季を象徴するような勝利に笑みをこぼした。
猛虎史上初となるCSサヨナラ劇勝だ。CSファイナルSが4勝制となった2008年以降、3勝0敗の球団の突破率は100%。圧倒的有利な状況で、日本シリーズ進出に王手をかけた。
「明日で決まりますけど」とお立ち台で強気の突破宣言を決め、聖地の虎党を沸かせた木浪。ストレート勝ちでセ界王者の威厳を示し、日本一への道を切り開く。