阪神 岩田稔氏が来季入閣へ 恩人・岡田監督の下で指導者第一歩 2軍投手コーチ有力

 来季投手コーチとして入閣が濃厚となった岩田稔CA
 第1次岡田政権ラストイヤーの08年に初の10勝を挙げた岩田
 2005年度の新人入団会見で笑顔の岡田監督(前列中央)と岩田(21)
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 阪神が来季の投手コーチとして球団OBでコミュニティーアンバサダー(CA)を務める岩田稔氏(39)を招へいする方向で調整していることが24日、分かった。現役時代、岡田彰布監督(65)に見い出された左腕が、恩師の下で指導者としての第一歩を踏み出す。

 岩田氏は21年の現役引退後、球団史上初の「CA」として自身も患う1型糖尿病患者への支援などを行ってきた。幅広い社会貢献活動と並行して、野球解説者や評論家として知見を蓄えており、次世代を担う指導者として白羽の矢が立った。

 配置については調整中とみられるが、2軍での入閣が有力視されている。2軍投手コーチ陣は22年に江草コーチが就任して安藤コーチ、久保田コーチの3人体制となっていたが、今年から安藤、久保田両コーチが1軍、福原コーチが2軍に配置転換されたことで1人減となっていた。2軍には今季、高卒新人としてプロ初先発を果たした門別ら将来性豊かな左腕が控えており、来季以降の成長を促す役割も期待される。

 岩田氏にとって、岡田監督は恩人でもある。第1次政権の07年秋季キャンプ。プロ2年目で未勝利だった岩田氏のブルペン投球を目の当たりにした指揮官は「10勝できる」と予言した。08年には先発ローテーションの一角を託され、一気に2桁勝利を挙げる大躍進を遂げ、先発投手としての地位を確立させた。

 本格的な指導者経験こそないが、選手としての実績は申し分ない。持病を抱えながら、16年間の現役生活で通算60勝を挙げた。09年には侍ジャパンの一員として第2回WBCに出場し、2連覇に貢献するなど豊富な国際経験も持ち合わせる。

 岡田監督は就任時から指導者の育成についても一任されており、岩田氏の登用は球団の意向とも合致する。18年ぶりの“アレ”を達成し、38年ぶりの日本一を目指す猛虎だが、さらなる常勝軍団としての礎を築くためにも新たな指導者の台頭は必須となる。優勝という結果に安穏とすることなく、将来を見据えた次なる一手を打っていく。

 ◆岩田 稔(いわた・みのる)1983年10月31日生まれ、39歳。大阪府出身。現役時代は左投げ左打ちの投手。大阪桐蔭から関大を経て、2005年度大学生・社会人ドラフト希望枠で阪神入団。08年3月29日・横浜戦(京セラドーム)でプロ初勝利。通算成績は200試合60勝82敗、防御率3・38。09年WBC日本代表。

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