阪神 上本氏が野手コーチに就任 虎一筋15年、早大先輩・岡田監督の力に「サポートしていきたい」
阪神は25日、現在は阪神タイガースWomenで監督を務めるOBの上本博紀氏(37)が野手コーチに就任すると発表した。同氏は西宮市内の球団事務所で会見。担当や背番号は未定だが、11月1日から高知県・安芸で行われる秋季キャンプから指導にあたる。
紺色のスーツにストライプのネクタイを締め、上本新コーチは緊張した面持ちで球団旗の前に座った。タイガース一筋15年。「ドラフトから指名していただき、お世話になったタイガースのためにっていう気持ちはずっと持ってやってきているので、そこは変わらずタイガースのためにという気持ちです」と強い決意を示した。
早大から2008年度ドラフト3位で入団。二塁のレギュラーに定着した14年には選手会長にも就任し、16年まで務めた。小柄ながら長打力も併せ持つ内野手として存在感を発揮。通算698試合に出場したが、度重なる故障に苦しんだ。
20年に引退すると、子供たちへの野球振興のために設立されたタイガースアカデミーのコーチに就任。22年には監督として「NPB12球団ジュニアトーナメント」で初優勝に導いた。23年は阪神タイガースWomenの監督として全日本女子硬式野球選手権大会で初優勝。創部3年目にして頂点をつかんだ。
これまでの経験を存分に生かす。「選手が喜んでいる姿とか、そういったことを経験させてあげられるようにサポートしていきたいと思っています。選手全員、年齢は下ですけど、敬意を持って接したい」と力を込めた。
早大の先輩である岡田監督には、日本シリーズ前ということもあり電話で報告。「一緒にユニホーム着て、一緒に頑張ろうという言葉をいただきました。ちょっと背筋伸びたとこがあります」と気持ちを引き締めた。常勝軍団形成への力になる。
◆上本 博紀(うえもと・ひろき)1986年7月4日生まれ、37歳。広島県出身。現役時代は右投げ右打ちの内野手。広陵から早大を経て、2008年度ドラフト3位で阪神入団。プロ2年目の10年7月8日・ヤクルト戦(甲子園)で初出場。14~15・17年の3度、規定打席到達。20年の引退後は、タイガースアカデミーのコーチ、監督。23年は阪神タイガースWomenの監督として第19回全日本女子硬式野球選手権大会制覇。