阪神・岡田監督 4カ月ぶり1軍の湯浅を投入した意図は?「ガラッとムードが変わると思った」鬼の勝負手でサヨナラ呼ぶ

 サヨナラ勝利に涙する桐敷(手前)の肩を抱く湯浅(撮影・高部洋祐)
 9回、サヨナラ打を放った大山(右端)を見て、ベンチを飛び出す湯浅(中央)ら阪神ナイン(撮影・中田匡峻)
 9回、大山がサヨナラ打を放ち、ベンチを飛び出す湯浅(左)=撮影・北村雅宏
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 「SMBC日本シリーズ2023、阪神タイガース4-3オリックス・バファローズ」(1日、甲子園球場)

 劇的なサヨナラ勝ちで2勝2敗のタイに持ち込んだ阪神・岡田彰布監督。勝利監督インタビューでは八回2死一、三塁から湯浅投入のシーンについて問われ「空気を変えてくれると思った」と語った。

 湯浅は6月15日のオリックス戦を最後に2軍調整を強いられていた。7月末には2軍戦で左脇腹を痛め、1軍復帰は大きく遠のいた。それでも1軍復帰をあきらめず、シリーズ開幕時にはフェニックスリーグ参戦のため宮崎に滞在。指揮官は「2日前に宮崎から帰ってきた」と明かしたが、投入の決断は揺るがなかった。

 重苦しいムードを代えてくれるのはもう湯浅しかいない-。

 その狙いがズバッとハマった。「久しぶりでしたけどファンの歓声もすごくて自分の投球ができた」と湯浅は1球でピンチをしのぎ、甲子園には盛大な湯浅コールがわき起こった。「投げさせてもらえるのはありがたい。シーズンでは力になれなかった。日本シリーズで力になればと準備していた。結果、1球でしたけどよかった」と右腕は胸を張る。

 6月15日のオリックス戦では逆転を許していた。これまでの経緯を含めれば、周囲のコーチも進言しづらい状況だった。それでも岡田監督は「誰も湯浅と言わなかったけど、湯浅は6月以来ですかね。ぶっつけ本番で湯浅にかけるしかない。湯浅にかけるとファンの人の声援でガラッとムードが変わると思った」。自らが阪神ファンであり、阪神ファンの特徴を知り尽くした指揮官が繰り出した鬼の勝負手が、見事に甲子園の空気を変えた。そして価値あるサヨナラ勝利を呼び込んだ。

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