阪神・近本 様々だァ!適時打含む3安打&サヨナラ呼ぶ四球 全得点絡んだ「勝てて良かった」
「SMBC日本シリーズ2023、阪神タイガース4-3オリックス・バファローズ」(1日、甲子園球場)
大山の打球が三遊間を破ると、阪神・近本は一気に本塁を駆け抜けた。島田の代打として控えていた原口に飛びつくと、笑みがはじけた。先制のホームも、サヨナラのホームも踏んだ。3安打1打点3得点。全4得点に絡む圧巻の活躍にも「勝てばいいですし、(塁に)出ればいいですし、勝てて良かったです」と淡々と振り返った。
“得点圏の鬼”は日本シリーズでも健在だった。1-1の二回、2死一、二塁で打席に立った。山崎福が投じた2球目、142キロ直球が高めに浮いた。「気付いたらストレートが来てて、あっちに飛んでいきました」。逆らわず白球をたたき、三遊間を破った。一時は勝ち越しとなる走者を迎え入れた。
レギュラーシーズンではリーグトップの得点圏打率・374を誇った。ポストシーズンでも広島とのCSファイナルS初戦でダメ押しの2点適時打を放ち、シリーズ初戦でも山本から右中間を破る適時2点三塁打。この日の適時打で得点圏打率・750とし、無類の勝負強さを発揮した。
初回は先頭で左前打を放ち、森下の適時二塁打で幸先よく生還した。2-1の五回には中前打を浴びせ、頂上決戦で三たび快音を奏でた。今シリーズ2度目の猛打賞を記録。大山の遊ゴロの間に追加点の本塁を踏んだ。
3-3の九回では1死から四球を選び、サヨナラ勝ちのお膳立てをした。ワゲスパックに対して「真っスラがホップ成分で、インコースも多いんで、少し(ベースから)離れて内から左中間の方に打てるように」などと詳細に分析。「気持ちとかではない」と理詰めでもぎ取った四球だと強調した。
打率・467の好調ぶりにも「状態とか気にしてない。結果さえ出ればいい。明日は明日で僕たちの野球をするだけ」。劇勝の余韻に浸ることなく、次なる闘いを見据えた。