「ＳＭＢＣ日本シリーズ２０２３、阪神タイガース４－３オリックス・バファローズ」（１日、甲子園球場）

　初の日本シリーズのマウンドで阪神・才木が血染めの熱投で劇的勝利を導いた。

　「今日はもう完全に粘りです。初回に３人とも（カウント）３－２になったので、きょうはそういう日やなと。そういう感じて投げていました」

　初回は先頭の中川圭に“オール直球勝負”するなど、フルカウントでも直球で押し、三者凡退。二回は先頭の頓宮に三塁打を浴び、右手の親指から出血するアクシデントに見舞われた。「全然大丈夫です。引っかいた感じです」と試合後、明かしたが、ユニホームを血に染めながら投球を続行。紅林に適時打は許したものの、最少失点に抑えた。

　味方が勝ち越した直後の三回以降も毎回ピンチを背負いながらも無失点で切り抜け、５回５安打１失点。「勝ち越ししてもらって、そこからピンチで守備からリズムをつくるのが難しかったんですけど、なんとか同点にされないように投げられた」。粘りの９５球が味方に流れを呼び込んだ。

　初の大舞台でも「僕の中ではいつも通り。調子的にまとまりが悪い日でしたが、なんとか球数を使いながら粘りながらいけた。雰囲気が違うというのは感じなかった」と淡々。リーグ優勝を決めた試合の勝利投手が、またしても大きな１勝をもたらした。