「ＳＭＢＣ日本シリーズ２０２３、阪神タイガース６－２オリックス・バファローズ」（２日、甲子園球場）

　阪神が大逆転勝利で３勝２敗とし、３８年ぶりの日本一へ王手をかけた。汚名返上の逆転タイムリーを放った森下翔太外野手はヒーローインタビューで「その前にエラーして迷惑かけたので、何とか自分の前にランナーを出そうと先輩達が必死になってくれた。絶対にかえすと思って打席に入った」と明かした。

　八回、１死二、三塁。名誉挽回のチャンスが巡ってきた。七回に中野とのダブルエラーで追加点を献上していた森下。直前のベンチでは「きょうは全然ダメな方だったけど、みんなからセンターに打て、センターに打てと言われていた」と岡田監督は明かした。追い込まれながらも真ん中低めのストレートをきれいに振り抜くと、打球は左中間を真っ二つに破った。森下は頭から三塁ベースに飛び込みガッツポーズ。一塁ベンチに目を向けると、先輩達が歓喜に沸いているのが目に飛び込んできた。

　「感触はあったので抜けてくれと思っていた」と森下。価値ある３戦連続タイムリーとなり「甲子園というホームの球場でやりやすい環境を作ってくれている。その期待に応えられるように必死にやっているだけです」と胸を張る。

　１９８５年以来、３８年ぶりの日本一へ王手をかけた。１、２戦で悔しさを味わった京セラドームで日本一の戦いに挑むことになる。阪神の強さを問われ「最強の先輩方です。それに引っ張って貰っている。底上げが勝ちにつながると思っている。気合出してやっています」と語り、ファンに「あと１勝して必ず日本一になります」と宣言。ミスしても取り返す精神的な強さを兼ね備えたドラ１ルーキー。その姿が今は何よりも頼もしい。