阪神・中野 宮城にリベンジ誓う シリーズ打率・381と好調維持「泣いても笑ってもあと1試合」
「SMBC日本シリーズ2023、オリックス・バファローズ5-1阪神タイガース」(4日、京セラドーム大阪)
もう落とせない状況となった。38年ぶりの悲願達成が目の前にあるだけに、絶対に負けるわけにはいかない。敗戦後、帰途に就こうとする阪神・中野拓夢内野手(27)は暗い表情を一切見せず、すぐに前を向いていた。
「本当に泣いても笑ってもあと1試合なので。全員で最後までやるだけだと思っている。自分も最後まで頑張りたい。なんとか勝ちにつなげられるような打席をもっともっと送っていければ」
敗戦した第2戦で、チームが苦杯をなめさせられた宮城を全員で攻略するつもりだ。その試合で左腕は6回4安打無失点と好投していたが、中野が2打数2安打1四球の全出塁と孤軍奮闘していた。
ただ、あえて前回のイメージをうのみにしないという。「その時のピッチャーの調子を見てみないと分からない。いろいろ感じることもあると思う。しっかり、そこに対応していけるように」。打席の中で相手の調子を見極め、早い段階で攻略への糸口を見つけたい。
この日も山本から2安打を放つなど、シリーズ打率・381と好調を維持。足のある2番打者の出塁は、得点の大きなきっかけとなる。「京セラで最初の2戦とも自分の中ではいい打席が送れたと思う。いつも通りの打席が送れた」と確かな手応えを得ている。
この日、山本から右中間に二塁打を放ち、2試合連続安打中の佐藤輝も「いい投手なので、チームで対策してなんとか点を取りたい」と決意。試合前練習では5階席に柵越えを放った。第2戦では宮城から無安打だが、持ち味の力強い打撃をする。
試合後、大山や近本らバスに乗り込む選手たちの表情は少し険しかった。ただ、次戦に向け、やるしかないというような気合も感じられた。次の勝敗で虎の運命が決まる。チーム一丸で王者を倒す。
◆阪神打線VSオリックス・宮城 阪神打線は第7戦先発・宮城と第2戦で対決し6回4安打無失点に封じられている。その中でも中野が2打数2安打1四球と気を吐いた。公式戦では今季交流戦での対戦はなかったものの21、22年で1試合ずつ対決。いずれも阪神が宮城を攻略し2戦2勝としている。