阪神 岡田監督が5度、宙を舞う 監督としてシリーズ最年長タイの日本一 横田さんのユニホームも3度、舞う

 日本一を達成し、宙を舞う岡田監督(撮影・飯室逸平)
 横田さんのユニホームを手に笑顔の岩崎(撮影・金田祐二)
 日本一に歓喜の阪神ナイン(撮影・金田祐二)
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 「SMBC日本シリーズ2023、オリックス・バファローズ1-7阪神タイガース」(5日、京セラドーム大阪)

 阪神・岡田彰布監督はノイジーのグラブに白球が収まると、満面の笑みで平田ヘッドと握手をかわした。

 フーッと大きく息をつき、ベンチからマウンドへ歩みを進めると、にこっと笑った。選手たちに身を委ね、5度、宙を舞った。また岩崎が脳腫瘍のため急逝した横田慎太郎さんのユニホームを手に持ち、3度、宙を舞って喜びを分かち合った。

 「ありがとうございます」と第一声でファンに感謝し「昨日で3勝3敗なったんですけど、プロ野球で最後のゲームになったんで。悔いのないゲームをしよう。選手達が本当によく応えてくれた」と語った。

 指揮官としての真骨頂を見せたシリーズだった。初戦、山本由伸を攻略するきっかけを作ったのは佐藤輝に指示した二盗。鮮やかにバッテリーの虚をついて得点圏に進むと打線がつながった。

 さらに守りではシリーズ開幕時に宮崎のフェニックス・リーグで調整していた湯浅を1軍に招集した。第4戦、「ムードを変えてくれると思った」と1球での好リリーフからサヨナラへの流れを生み出すと、第5戦も八回をピシャリ。その裏、一挙6得点のビッグイニングを作った。

 そして第7戦、成績が上がらずファンから批判を浴びながらも使い続けたノイジーが先制3ランを含む4打点。さらに開幕投手を任せながら不振で2軍落ちも経験した青柳を大一番のマウンドで抜擢。見事に五回途中無失点で役割を果たした。

 選手の動きに目を配り、どんなささいなヒントも見逃さない。「グラウンドを見ていればわかるんよ」。試合の流れが揺らぐ瞬間を見逃さず、最善の一手を打つ。「俺の野球は流れの野球よ」。指揮官のタクトに選手もしっかり応える。これが岡田阪神の強さの秘けつだ。

 六回には6点リードでも坂本に送りバントを命じ、先発の柱でもあった伊藤将をリリーフで投入した。九回2死から岩崎を投入し、一発こそ浴びたがリードを守り切った。

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