阪神・近本「本当に鳥肌」 ファンのぬくもりで街が一つに「甲子園とは違う雰囲気」

 「阪神・オリックス優勝記念パレード」(23日、兵庫・神戸と大阪・御堂筋)

 晴れ渡った空の下、輝く笑顔で沿道は埋め尽くされた。日本一を成し遂げたヒーローに感謝の言葉が投げかけられる。甲子園での勝利に勝る歓喜のとき。阪神・近本光司外野手(28)は全身で祝福ムードを感じ取った。

 「甲子園とは違う雰囲気で、すごい。すごいとしか言いようがない。本当に鳥肌。こんなに人が集まったらすごいことになるんやなって思いました」

 人生初のパレード。まずは、神戸で午前11時にスタートした。あいさつを終えると、2階建てオープンバスに乗車。慣れ親しんだ三宮を多くの虎党から大声援を受けながら、手を振り、ゆっくりと進んだ。午後2時からは大阪でパレード。「一人一人の顔も見られましたし、声も聞けた」と、再びファンのぬくもりに浸った。

 淡路島出身の近本。パレードの始まる前には兵庫・斎藤元彦知事と対談した。「野球だけじゃなくて、スポーツでね、子どもたちの育成とかサポートを県も動いている。僕も共感する部分が多かった。(パレードが)何かのきっかけになると思う」と、今後もスポーツ振興の力になっていくことを誓った。

 今季は死球による右肋骨(ろっこつ)骨折で離脱した時期もあったが、リードオフマンとして129試合に出場してチームをけん引。街が一つになった瞬間を目に焼き付け、再び頂点をつかむという思いを再確認した1日でもあった。「(優勝チームの選手から)ビールかけがしたいというのと、パレードがしたいというのはよく聞く。何でかなと思っていたんですけど、今年経験したことで、もう一回したいってなりますね」と気持ちを高ぶらせた。

 6年目となる来季。3年間務めた選手会長を中野に引き継ぐが、やることは変わらない。再び歓喜の瞬間を-。猛虎の切り込み隊長が黄金期へとチームを導く。

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