阪神の秋山拓巳投手（３２）が２４日、西宮市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、背水の決意を口にした。年俸８８００万円から、野球協約の減額制限２５％を超える半減の４４００万円でサイン。来季の逆襲を誓った（金額は推定）。

　哀愁を帯びた表情に反し、言葉の節々には静かなる闘志が燃える。前日２３日。「たまたま近くで散髪の予定があって」と自身が参加できなかったＶパレードのにぎわいを体感した。

　「ファンの方に紛れて歩いてて、何してるんやろうなと…」

　今季の１軍登板は２試合のみで、０勝１敗、防御率７・４５に終わった。「一番しんどい１年だった。（１軍の）試合を見るのもツラかった」と痛切な思いを吐露。秋山に代わりローテ入りした村上が大躍進を見せるなど若手の台頭にも押され、「完敗だと思う」と悔しさをにじませた。

　それでも「他球団であれば、僕も来年はなかったかもしれない。チャンスをいただけたので、負けたまま終わらないようにしたい」と再起を期す。古傷を抱える右膝の状態は良好で「コンディショニングが一番。今まで以上に気を使いながら」と右腕。プロ１５年目の来季、生え抜き最年長の意地を見せる。